諫干問題「開門含め原因究明を」 佐賀知事、金子農相に要請 有明海再生は意見一致

山口知事(左)の説明を受ける金子農相=農水省

 金子原二郎農相と山口祥義佐賀県知事が18日、農林水産省で面会した。国営諫早湾干拓事業の開門問題を巡っては、山口知事が有明海再生の早期実現に向けた提案として「開門調査を含む原因究明」などを要請。金子農相は開門せずに有明海再生基金事業で解決を目指す国の従来姿勢を説明した。有明海再生については「共通の基盤。強い思いで進めていく」と意見が一致したという。
 冒頭を除き非公開。終了後、記者団の取材に応じた山口知事によると、2010年に確定した福岡高裁の開門判決が「(佐賀の)漁業者の思いだ」と説明。会談内容の詳細には言及しなかったが、「農相の立場だけでなく、長崎県知事時代などを含めて幅広い観点からの思いを真摯(しんし)に語ってもらい、それぞれの思いを吐露した」と総括した。
 金子農相は20日に佐賀、長崎両県を訪問し、干拓地の視察を予定。訪問を巡っては、山口知事が「非開門前提で来る趣旨がよく分からない」、金子農相も「なぜ(農相が)私になったらそういう話になるのか、よく分からない」とそれぞれ会見で疑問を呈し、応酬が続いていた。
 農水省によると、20日に両者の面会予定はなく、佐賀県からは「ノリ漁の繁忙期で漁協側の調整がつかない」と説明があったという。山口知事は記者団に「(面会しない)趣旨は理解していただけたと思う。大臣からも『また、いずれ』と話があったので状況を見て対応したい」とした。金子農相は「漁業者と意見交換したい」とし、年明けにも再訪問する考えを示したという。

© 株式会社長崎新聞社