ノボノルディスク、RNAi療法開発のDicerna社を33億ドルで買収 RNAi技術プラットフォームを用いて、肝臓関連の循環代謝疾患の治療法の開発

【11月19日 Insights4 プレミアム】ノボ・ノルディスクは、Dicerna Pharmaceuticalsを1株あたり38.25ドルの現金、または約33億ドルの株式総額で買収する正式契約を締結した11月18日木曜日に発表しました。この買収は、Dicerna社のGalXC RNA干渉(RNAi)技術プラットフォームを用いて、肝臓関連の循環代謝疾患を治療するための治療法を開発する2019年の研究協力関係に基づいています。

今回の買収金額は、11月17日のDicerna社の株価終値に対して80%のプレミアムを含んでいます。両社の取締役会で承認されたこの取引は、第4四半期中に完了する予定です。

RNAi研究を加速

ノボ ノルディスク社のチーフサイエンティフィックオフィサーであるMarcus Schindler(マーカス・シンドラー)氏は、今回の買収について、「RNAiの研究を加速させ、RNAi技術の利用を拡大するものである」と述べています。ディセルナ社のRNAiベースの治療法は、疾患の原因となる遺伝子を選択的にサイレンシングするために開発されており、同社の技術プラットフォームは、肝臓および肝以外の細胞や組織の種類を問わず、細胞内の疾患ターゲットへのアクセスを可能にしています。

当初の共同研究では、30以上の肝細胞ターゲットが含まれており、非アルコール性脂肪性肝炎、2型糖尿病、肥満、希少疾患などの疾患に対する多くの臨床候補化合物を提供する可能性があります。今年初め、Dicerna社は、ノボ ノルディスク社が本契約に基づく最初の候補を指名し、2022年に臨床試験を開始する予定であると発表しています。

主力候補nedosiranではエンドポイント達成も株価は下落

Dicerna社の優良なRNAi治療薬候補の一つであるnedosiranは、最近、原発性高オキサル尿症(PH)治療のための重要な試験の主要エンドポイントを満たしました。しかし、ネドシランはPHタイプ1の患者には有効であったものの、PHタイプ2の患者には同様の効果が得られないという結果が出たため、同社の株式は下落をしております。

また、Dicerna社は、Alexion Pharmaceuticals社、Boehringer Ingelheim社、Eli Lilly社、Roche社など、多くの製薬会社と契約を結んでいます。

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