【医薬品制度部会】薬剤師会森氏、電子処方箋のフリーアクセス担保を要望

【2021.11.19配信】厚生労働省は11月19日、厚生科学審議会 ・医薬品医療機器制度部会を開いた。議題の1つだった「医薬行政の最近の動きについて」に関連して、日本薬剤師会副会長の森昌平氏が電子処方箋について発言。電子処方箋で「医師等が電子処方箋を支払基金等に提供すれば、患者等に交付したものとみなすなどの規定を整備する」ことが検討されていることに危惧を示し、制度としてフリーアクセスの担保を位置付けることを求めた。

「医師等が電子処方箋を支払基金等に提供すれば、患者等に交付したものとみなす」との法改正に懸念

日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、電子処方箋に関して、「仕組みを活用してより安全で有効な薬物療法に取り組んでいきたい」とする一方で、「非常に機微な情報を扱うため、セキュリティーを含めて安全で安心な仕組みが不可欠」と述べた。

「効果が充分に発揮できるような仕組み・体制の整備が必要」と指摘。電子処方箋において「医師等が電子処方箋を支払基金等に提供すれば、患者等に交付したものとみなすなどの規定を整備する」との法改正が検討されていることを挙げ、現状の患者が処方箋の内容を確認して、患者自身が選んだ薬局に行っているという仕組みが崩れかないとの危惧を表明した。

電子処方箋においても、「患者が自身で処方内容を確認できる仕組み」や「フリーアクセスを担保する仕組み」が必要だと指摘した。そのためには責任の明確化や制度としての位置づけが不可欠との見解を示した。

後発薬問題では「現場への情報提供、代替薬の確保・調整などの対応」を要望

後発医薬品の問題についても触れ、信頼が大きく損なわれ、現場が混乱している現状を改めて説明。
「安定供給のスキームを的確に運用し、今後の薬事承認、製造販売承認のあり方、製造管理体制の強化、製造所への監督の厳格化、製造販売業者等のあり方、安定供給の把握、現場への情報提供、代替薬の確保・調整などの対応をお願いしたい」と述べた。

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