【MLB】大谷MVP問答 お祝い予定なし「早めに寝る」 エ軍と契約延長は「来年勝つことだけ」

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

BBWAAの電話会見「すごく嬉しくて。また来年頑張ろうという気持ちにさせてくれる」

ア・リーグの最優秀選手(MVP)を受賞したエンゼルスの大谷翔平投手は18日(日本時間19日)、全米野球記者協会(BBWAA)の電話記者会見で満票受賞した喜びを語った。日本選手では2001年イチロー氏(マリナーズ)以来20年ぶり、史上2人目の快挙。2015年ブライス・ハーパー(当時ナショナルズ)以来6年ぶり史上19人目の満票選出となった。

――今年は制限なしでプレーした。
「難しさはありましたけど、やりがいもあったと思います。試合に使ってもらって期待に応えたいと思って毎日頑張れた。そこはやりがいを持って1試合1試合出来ました」

――オフに取り組みは。
「時間はあったのでしっかり休めた。もうしっかり動き始めているので。ここからキャンプに向けて。また来年勝てるように頑張りたいなと思います」

――二刀流を続けるラストチャンスという危機感があったからできたか。
「100%歓迎されていたという雰囲気は去年に入ってからなかったので。去年そういうこともありましたけど、自分がここで頑張りたいなと思って、ここに来たので。反骨心みたいのはなかったですし、自分が純粋にどこまで上手くなれるのか。頑張れたのが良かったかなと思います」

――満票で受賞した。
「取ること自体が初めてで特別。1位に入れてくれた評価がすごく嬉しくて。また来年頑張ろうという気持ちにさせてくれるかなと思います」

MVPのお祝いは「特にない。また明日もあるので、早めに寝るかなと思います」

――トラウトから祝福の声もあった。
「一緒にやることで勉強になったりとか、打撃に関してはずっと勉強させられっぱなしのところがあるので。本当にずっと見てきたから、いろいろ対応できたところはあると思います。一緒のチームで良かったと思っているので。来年また頑張れれば、もっと強いチームになるかなと思います」

――子どもたちにメッセージを。
「僕はイチローさんのMVPを取った時を見てきました。そういうのを見てメジャーリーグに憧れるようになってきたので。思ってくれるように、また頑張りたいと。そういう選手が出てくるのを楽しみにしていますし、一緒に出来る日が将来くるのも楽しみにしています」

――今夜のお祝いは。
「特にない。家族で、というか母親が来ているので。夜は特には。また明日もあるので、早めに寝るかなと思います」

――エンゼルスとの契約延長の話はあるか。
「そういった話はあまりできないので。ただエンゼルスも好きですし、長くやりたいなと思っているので。まずは来年勝つことだけを考えて過ごしたいなと思っています」

――MVPの発表を待っていた心境は。
「やることは特に変わっていなかった。個人的には切り替えて、勝つことだけを考えてやりたいと思っていたので。ただ楽しみにはしていたし、本当に取れて嬉しい。来年につながる、モチベーションになったかなと思います」

世界一の選手と思う時は「おそらく来ないと思う。ゴールがない分、常に頑張れる」

――二刀流が評価された。27歳で取ったことの意味について。
「満票で取れたのはすごく嬉しいですし。怪我もいろいろあったので順調に来ていたわけではなかったですけど、いろんな人に助けてもらって、27歳で取れたので。選手としてここからピークを迎える5から7年がもっともっと勝負だと思うので。もっともっと頑張れるように日々頑張りたいと思います」

――「一番の選手になりたい」と常々言ってきた。目標は達成したことにならないか。
「なってはないですね。自分でそう思う日はおそらく来ないと思うので。目標としてはアバウトというか、そういう目標ですけど。ゴールがない分、常に頑張れる。確実にステップアップしていると思うし、今回の賞がその1つだと思うので、本当に今後のモチベーションになりました」

――二刀流はプロ野球で無理だと言われてきた。大きな怪我もあったが、それも乗り越えた。
「怪我なく1年間できたのが一番良かったです。このパフォーマンスをどれだけ続けられるか誰にも分からないので、毎年毎年そういうチャレンジが続くと」

――イチロー氏が「無理はできる間にしかできない」とコメントしていた。「無理」の意味をどう捉えているか。
「ピークとしていられるうちに、いい状態を保てる時期はそう長くはないので。時間の制約、タイムリミットは毎年毎年近づいてきていますし、自分の能力を伸ばせる時間は多くはないので。そういう時間を大事にしながらやりたい。そういう意味だと捉えて頑張っている」

――ナ・リーグでMVPとなったハーパー選手が泣いて喜んでいたのに対して、冷静に見えたが。
「泣くというより、すごく嬉しかった。満票だったのでびっくりというか、良かったなという気持ちが強い。ハーパー選手は2回目だったので、そういう意味では心境の違いがあっただろうし。いつか対戦できる機会があれば嬉しいかなと思います」

――マドン監督が「制限をつけないと伝えた時に大谷選手が笑った」と話していた。この提案をどう受け止めたか。
「プラスな部分、ポジティブな部分もあると思いますし、それに対して頑張りたい気持ちも出てきたのももちろんあるんですけど。どちらかというと、ある程度、形にならなかったらこの先、(二刀流を続けることを)考える必要があるのではというニュアンスもあったので。それは五分五分という感じですかね」(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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