パラアスリートを陰で支え明日へと寄り添う マラソンガイドランナー・志田淳さんの思い

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。今回は東京2020大会が開催された東京で行われる取り組みや関わる人々の思いを紹介する「Our Legacy」で、パラリンピック金メダリストを支えた影の立役者・ガイドランナーの志田淳さんを紹介しました。

◆Our Legacy「ガイドランナー 志田淳」

東京2020大会が開催された東京を舞台に行われる取り組みや、そこに関わる人々の思いを紹介する、「Our Legacy」。
今回は、パラリンピック金メダリストを支えた、影の立役者を取材しました。

東京パラリンピックの女子マラソン、大会新記録で金メダルを獲得した、道下美里選手。
彼女のガイドランナーを務めた志田淳さんにお話を伺いました。

(志田淳さん)
「(Q.東京2020大会で、実際に走ってみていかがでしたか?)5年間、ずっと目指していた大会で、ゴールした瞬間は感無量でした。東京で生まれ育ったこともあり、この街で走れたというのは、すごく嬉しいことでした。(Q.ガイドランナーとは、どういった役割?)視覚に障害がある選手に代わって道案内をしたり、大会になれば、他の選手の動向を伝えたり、そうして、レースを導くる存在です」

選手の目となり、リードする、ガイドランナー。その存在は、レースの結果をも左右します。
東京パラリンピックをともに走った、道下選手は…。

(道下美里選手)
「私たちは見えないので、スタートしてしばらくは周りのランナーの足音が少し聞こえたりもしますが、足音が聞こえなくなれば、(他の選手が)前にいるか後ろにいるかも分からない状態なんです。私は、ガイドランナー次第で、(レースの)結果は変わってくると思っていて、志田さんは他の選手を見る洞察力が、すごく優れていて、私にとって、勝つためには欠かせない存在です」

自身も陸上選手として活躍していた志田さん。現役引退後、会社の陸上部の後輩に誘われ、ガイドランナーの道へ進みました。

(志田淳さん)
「(Q.初めてやったときのことを覚えていますか?)今でも覚えてるぐらい、本当に衝撃的だったんですが、『まず一緒に歩いてみましょう』ということで、近くの競技場の敷地を歩き出すと、行く先に階段がありまして、『階段がありますよ』と伝えたら、『上り? 降り? 何段あるの? 幅は? 高さは?』と矢継ぎ早に質問されたんですよ。僕は全然答えられなくて、『ちゃんと具体的に表現しないといけないんだ』と。短い時間でそれを伝えるのが、伴走者の役目なんだなと思って、見えない人への意識がだいぶ変わりました」

細かい情報を的確に伝えて、ゴールへ導くガイドランナー。選手がレースに集中できるよう、志田さんが特に心がけていることが…。

(志田淳さん)
「選手によって、結構、特徴というか性格的なものがありまして、例えば曲がり角があると、100mぐらい前から、その角があることを伝えてほしいという選手もいれば、そんなに長い間、ずっとカーブのことを考えたくないから、直前に教えて欲しいという選手もいて、その選手の性格に合わせて伝えていくという難しさがあります」

志田さんが思い描く未来とは…。

(志田淳さん)
「我々が、東京2020大会で金メダルを獲った姿を、全国の皆さんにご覧いただけたと思うので、こういった活動もあるんだと、知らない方に知っていただけたり、自分もやってみようと思う方が、今後、増えていったら、私としてもすごく嬉しいです。 また、今後、どこまでできるか分からないですが、パリ大会も目指していきたくて、まだ続けていこうと思ってます」

パラアスリートの明日への一歩に、寄り添い続けます。

<番組概要>
番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:久保井朝美、中村美公
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/

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