〈動画あり〉中川上越市長記者会見 コロナ・副市長で独自色 改革「少しずつ丁寧に」

 上越市の中川幹太市長は19日、市議会12月定例会(30日開会)の提出議案などを説明する記者会見を市役所で開いた。

今年の謙信公祭で「謙信役」を務める中川上越市長

 就任1週間での抜き打ちの庁内防災訓練に続き、独自のコロナ対策や副市長、政策諮問委員の選任、市長給料の減額などを打ち出し、「中川色」を早くも形に表した。9日の就任からこの間は主に庁内の各部局の説明などを受けており、「12月議会と人事と(新年度予算提案の)3月に向けた取り組みであまり時間的に余裕がない中でやってきた。改革については少しずつ丁寧にやっていきたい」と話した。

手洗い場を自動水栓化に 補正予算

 一般会計で18億3040万円の補正予算案を計上した。補正後の本年度一般会計規模は982億円から、1000億円の大台に乗った。

 主なものでは新型コロナウイルス感染症対策として、市内の保育園、幼稚園、市立小・中学校におけるトイレの手洗い場の自動水栓化工事を進める。事業費として計1億4310万円を計上している。

 この他、コロナ影響の経済対策事業として、地域経済の下支え、落ち込んだ市内消費の喚起、「新たな日常」を見据えた取り組みの支援の柱で、中小企業者等への支援金やプレミアム付き商品券の発行支援、飲食店クーポン等作成などを盛り込んだ。

 財源の一つ、財政調整基金は12月補正後の残高で88億3265万円。市の財政状況を厳しく見ており、「100億円ぐらいでキープしたい」と認識を示しつつ、「ある意味、コロナは非常事態であり、積極的に使っていかなければならない」とコロナ対応を最優先する考え。

分野別4人に野口氏は留任 副市長

 公約をはじめとする重要な政策テーマを推進するため、副市長の定数を2人から4人に改める。各副市長の担任は「総務、財務、他副市長の担任分野以外」「地域自治の推進、防災・災害対策」「健康づくり・福祉」「歴史文化をいかした通年観光、産業振興」。このうち健康づくり・福祉に関する副市長人事を市議会12月定例会に追加提案する。

 現在務めている野口和広副市長については「引き続き任に当たっていただく。それ以外の人は私が選んでいく」とした。

外部人材から助言や提言 政策諮問委員

 多様な知見やノウハウを有する外部の人材から助言、提言を受け、重要な政策、施策を推進する。今回1人を選任し、計3~4人を想定。報償金として職務1回に付き定額(4時間以下の場合1万5000円、4時間超で3万円)と旅費を支払う。12月補正予算額は31万4000円。

 中川市長は会見後の同日午後、県庁に花角英世知事への就任あいさつに出向いた。

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