沖縄の自然を世界の宝に 自然遺産登録記念で式典、次世代への継承誓う

 沖縄・奄美の世界自然遺産登録を記念する式典(沖縄県主催)が19日、豊見城市の沖縄空手会館で開かれた。北部の国頭村、大宜味村、東村と西表島がある竹富町の首長、関係省庁が出席し、先人から受け継いだ自然を世界の宝として守り、次世代に継承することを誓った。

 本島北部と西表島の登録を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦した、環境省自然環境局の奥田直久局長は「自然の価値だけでなく、自然を守る地域の取り組みが世界の見本として認められた」と改めて祝福。国がユネスコから受け取った、世界遺産一覧表への記載認定書のレプリカを4町村長らに手渡した。町村長らは「登録はゴールでなくスタート。先人から受け継いだ自然を守り、持続可能な地域作りに取り組む」と誓った。

 地域で自然に関わる活動をしてきた人たちや世界自然遺産推進共同企業体への感謝状贈呈もあった。地域の自然を学び、環境教育に取り組む辺土名高校(大宜味村)の上原蓬(よもぎ)さん(環境科1年)は「おじい、おばあから『昔はもっとたくさんの生き物がいた』と聞いて『なんで今に残す活動をしてくれなかったの』という声もあった。そんなことが二度と繰り返されないよう、できることに取り組みたい」と話した。

 世界自然遺産に関わる子どもたちの図画コンクール表彰式も行われ、立場を超えた関係者が共に登録を喜んだ。

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