〝雲隠れ〟木下富美子都議を辞めさせる究極の一手 横粂弁護士が指南

まだ居座る?(東スポWeb)

まだ究極の方法が残っている! 無免許運転で書類送検されていた木下富美子都議が19日に在宅起訴となったが、有罪判決で失職になる可能性は逆に低くなった。ほかに失職となる方法はリコールか都議会の除名処分だが、どちらもハードルは高い。そこで識者からは「都議会の自主解散をやるべきです」と訴える声が上がっている。

東京都議選の期間中に無免許で当て逃げ事故を起こし、警視庁に書類送検された木下氏について、東京地検は19日、5月~7月にかけて7回無免許運転をしたとして道交法違反の罪で在宅起訴した。当て逃げ事故を起こしたとする自動車運転処罰違反(過失傷害)の容疑に関しては起訴猶予、道交法違反(事故不申告)の容疑は嫌疑不十分の不起訴とした。

もし禁固以上の実刑判決が確定となれば都議を失職することになるのだが、木下氏はすべての容疑が起訴となったわけではない。失職はあり得るのか?

元衆院議員で弁護士の横粂勝仁氏は「失職とはならないでしょう」と指摘。その理由について「初犯であれば、無免許運転は罰金の求刑がほとんど。木下氏の場合は不起訴とはいえ、人身事故の事実はあるので懲役でしょうか。それでも求刑で懲役6か月から10か月程度で、判決では執行猶予が付くのではないか」と解説した。

もし執行猶予が付いたら失職とはならない。ほかに木下氏を議員辞職させる方法は、リコールと除名処分があるが、「どちらもハードルが高い。リコールは都議になって1年たったらできますが、有権者が約47万人の板橋区では、15万人近くの署名を集めないといけません。今、署名を集めたとしても大変ですが、来年7月に果たしてこの件が盛り上がっているのか」。そのころには沈静化してしまって、署名が集まらない可能性もある。

それならば、除名処分はどうか。

「議会の外のことで除名にするのは難しいので、議会の中のルールに反した、ということを理由にすることになります。議会の召喚状を複数回無視するなどですが、実は懲罰には種類があります。戒告、陳謝、出席停止があって、1番重いのが除名。いきなり除名ができるのかという問題があります」

たとえば現段階で除名処分にすれば、「不当な処分だ」として、木下氏から裁判を起こされかねないという。それだけに慎重に進める必要があるわけだ。

木下氏は「続けてほしいとの声がある」と言うものの、実際は「早く辞めてほしい」という声がほとんどだ。もうほかに辞職させる手段はないのか。12月にはボーナス約200万円を木下氏は手にする予定だが、このまま税金から議員報酬が支払われ続けることを都民は受け入れるしかないのだろうか?

横粂氏は「1つだけあります。都議会の自主解散です」と言う。

「すべての都議が辞めて、もう一度選挙をするのです。『1人のために40億~50億円にもなる選挙費用をかけるのか?』という議論もあり、現実的ではないかもしれません。それでも私はやるべしと思います」

都議選の開催時期が統一地方選とずれているのは、1965年に自主解散をしているから。過去に実例はあるのだ。果たしてほかの都議たちがそこまで踏み込めるのか? 注目したい。

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