判定巡り1時間19分中断、ファン乱入も… オリvs燕、過去の日本シリーズの結末は?

野村克也氏(左・2019年撮影)とマリナーズ会長付き特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏【写真:荒川祐史、AP】

1978年は阪急対ヤクルト、大杉の打球を巡り1時間19分の中断

セ・パのクライマックスシリーズはヤクルト、オリックスが無敗で勝ち上がり日本シリーズ進出を決めた。両チームの対戦は過去に2度(前身の阪急時代を含め)あり、ともにヤクルトが勝利している。ここでは過去の対戦を振り返ってみる。

日本シリーズ初対戦となったのは1978年。阪急は“史上最高のサブマリン”山田久志が先発の柱、打線では福本豊、加藤秀司、マルカーノら強力打線で4年連続の日本一を狙った。一方のヤクルトはシリーズ初出場だった。

このシリーズは第7戦までもつれ、6回に大杉が放った打球を巡り1時間19分の中断が起こった。上田監督はポールの上を通過したとファウルを主張し審判団との押し問答が続き、ファンも乱入するなど大騒動に発展した。ホームランは認められ最終的にヤクルトが4-0で勝利し創立29年目で初の日本一を達成した。

1995年は野村IDと天才イチローの対戦が注目

2度目の対戦は1995年。ヤクルト“野村ID”とオリックス“天才イチロー”との対戦が注目されたシリーズだった。イチローは前年1994年に前人未到の210安打を放ち、この年も首位打者(.342)、打点王(80)、最多安打(179本)、盗塁王(49個)、最高出塁率(.432)とタイトルを総なめ。

ヤクルトは敵地・グリーンスタジアム神戸(現・ほっと神戸)で3連勝し早々に王手をかけ、第4戦は本拠地・神宮で敗れたが第5戦を3-1で勝利し2年ぶり3度目の日本一を達成した。また、敗れたオリックスは翌1996年にリーグ連覇し、巨人との日本シリーズを制し日本一を達成している。

オリックスは“3度目の正直”、2度あることは3度あるのヤクルトか……。また、高津監督と中嶋監督は現役時代の1995年に対戦している。ともに前年最下位球団をリーグ優勝に導いた采配にも注目が集まる。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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