メクル第589号<旬感 V・ファーレン・9・おわり> FW エジガルジュニオ選手(背番号7) 勝利に導くストライカー

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「困難を乗り越えてこそ強くなる」と語るエジガルジュニオ選手

 V長崎で今季チームトップの15ゴールを奪(うば)うストライカー。9月は5試合で7得点(とくてん)1アシストと大暴(おおあば)れし、月間MVPを獲得(かくとく)しました。圧巻(あつかん)は9月18日のJ2第30節、アウェー町田ゼルビア戦。月間ベストゴールにも選ばれた開始9秒のゴールを皮切りにハットトリックを達成しました。
 このゴールが生まれる転機となった試合があったと言います。9月4日のホーム琉球(りゅうきゅう)FC戦。「もっとアグレッシブに行こうと気持ちを共有した。私(わたし)も6試合ぶりに得点できたし、そこからチームにスイッチが入った。町田戦のゴールは、積極的にやった結果、チャンスも自然に生まれ3点決められた」と振(ふ)り返(かえ)ります。
 日本に来たのは2019年。J1の横浜(よこはま)Fマリノスに期限(きげん)付きで移籍(いせき)してきました。「小さいころからヨーロッパや日本でプレーしてみたいと思っていた。不安とかはなく、気持ちは落ち着いていたし、モチベーションは高かった」
 日本のサッカーを見たときは驚(おどろ)きました。「ブラジルはボールを大事にしながら攻(せ)め上(あ)がる。日本は展開(てんかい)が早く、縦(たて)に入れるスピードも速い」。慣(な)れないとやっていけないと思い、練習から必死に取り組み、16試合11得点。マリノスに欠かせない存在(そんざい)になりましたが、けがの影響(えいきょう)で後半戦は出場できませんでした。その後もチームは好調を維持(いじ)し優勝(ゆうしょう)。「ピッチに立てなくても一緒(いっしょ)に戦っている。チーム一丸でつかんだ栄(えい)冠(かん)。『うれしい』のひと言では言い表せない思いだった」
 V長崎に移籍したのは20年10月29日。V長崎の将来(しょうらい)に対するビジョンに魅了(みりょう)されました。「一緒に成長したい」という言葉が心に響(ひび)き移籍を決めました。チームに温かく迎(むか)えらたこともあって、デビュー戦となったホーム水戸ホーリーホック戦で名刺(めいし)代わりのゴールを決め、スタジアムが歓喜(かんき)に沸(わ)きました。
 何度もけがで長期離脱(りだつ)した経験(けいけん)から、色紙には「AMOR Resiliencia」(ポルトガル語で「愛と克服(こくふく)」)と記します。「人間であればどんなときも『愛』が必要。そして、人生には多くの困難(こんなん)が待ち受けている。それを乗(の)り越(こ)えてこそ強い自分が生まれる」と力強く語ります。
 ポジショニングや動き出しで相手を翻弄(ほんろう)。狭(せま)いスペースでボールを引き出し、高いシュート精度(せいど)で得点できる万能(ばんのう)型アタッカー。理想とするFWは元ブラジル代表のロナウドだと言います。「彼(かれ)のようにはなれないが、瞬発(しゅんぱつ)的な動きやフィニッシュの部分は似(に)ている。まねしたい」。今後も得点で長崎を勝利に導(みちび)いてほしい。