『攻殻機動隊SAC_2045 持続可能戦争』映画化だからこその時間経過・奥行きを表現した職人技術

[REPORT:柏木 聡(LOFT/PLUS ONE)] 11月19日新宿ピカデリーにて『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』上映後に編集の古川達馬氏とカラーグレーディングの松本勝氏を迎えてのスタッフトークイベントが開催された。 司会を務めたのはプロダクションI.G.の牧野治康氏、今回の人選は牧野氏によるもの。本作上映後のエンドロールはお二方の名前が最初に出て、最後に藤井道人監督が出るという藤井組で挟む形のコダワリのエンドロールとなっておる。藤井監督とは実写映画をふくめ5年以上一緒に作品を作られてきており、今回の映画でも重要な部分を担った二人によるトークを是非という熱い想いが実現してのイベント開催に至った。

トークでは実際の画像を交えて、二人ならではの濃いコダワリを聞くことが出来た。

映画では印象的だった徐々に色味が変わっていく演出は古川氏からの希望があったそうで、物語を映画に構成する際に演出的な部分をより効果手に表現できるようにするためで、松本氏もその意図を即座に汲み取りフィルムに落とし込んでいった。その演出を行ったことについて古川氏は「シマムラ自身の精神状態、その経過を表現する流れにしよう、そこを色でも表現したいという事でお願いしました。」と物語を深く理解しているからこその演出意図があったことを語られました。

画に奥行きも生まれたグレーディングの効果に藤井監督も驚かれていたそうで、実作業でについて聞かれると「映画として映えるようにという事とカット基準で前後が繋がり映えるようにという事に気を使いました。」とグレーディングの効果と松本氏のコダワリについて伺うことが出来ました。

まさに作品の映画化に際し重要なパートを務めたお二人だからこその濃いトークをしていただけ、さらに映画の魅力を深く感じることが出来るイベントとなりました。

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