V長崎、5連勝逃す 昇格圏 猛追及ばず

【磐田-V長崎】前半、V長崎のカイオセザール(中央)が磐田の遠藤からボールを奪う=静岡県磐田市、ヤマハスタジアム

 首位と勝ち点1を分け合い、いちるの望みをつないで他会場の結果を待つ。だが、ちょうどその頃キックオフを迎えた2位京都も簡単には負けてくれない。ドローゲームに持ち込み、両者の勝ち点差は縮まらず。V長崎はついに昇格の道を断たれた。
 会心の試合運びだった。ウェリントンハットの豪快なミドルシュートが突き刺さり、前半4分で先制。追いつかれても間髪入れずに再びリードを奪い、16試合負けなしの磐田を追い詰めた。
 だが、ハーフタイムを挟んだ後の磐田は別チームのように変貌していた。前節、アウェーで昇格を決定して迎えたこの日の一戦。「凱旋(がいせん)試合で負けるわけにはいかない」と言わんばかりに闘志をむき出しにしてきた。カイオセザールが「まぐれで昇格したチームじゃない」と認める集中力で、4連勝中だったV長崎の息の根を止めた。
 成績不振に伴い、松田監督が指揮を執り始めたのが第13節だった。それまで4勝2分け6敗と低迷していたチームは劇的に立ち直り、以降の28試合で18勝7分け3敗と堂々の成績。昇格圏までの勝ち点差は当時の「15」から「7」まで縮まっていたが、猛追もここまで。昨季の3位チームは、今年も最終盤で悔し涙をのむ結果となった。

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