【RIZIN】皇治 VS シバター 年末実現へ…キーマン動く「 “床運動” を教えてやる」

皇治(左)とシバター(東スポWeb)

異次元マッチの行方は――。格闘技イベント「RIZIN」で初勝利を挙げた〝キック界のドン・ファン〟こと皇治(32)が人気ユーチューバー・シバター(36)との対戦をぶち上げたことで波紋を呼んでいる。20日の「RIZIN.32」(沖縄アリーナ)で祖根寿麻に判定で勝利した勢いで名前を口にし、大みそか決戦での激突が有力視される。一見突拍子もないように見えるカードには、果たしてどんな意味があるのか。〝キーマン〟を直撃した。

引退をかけて祖根とキックルールで対戦した皇治は、相手のタフネスにてこずりながらも3ラウンド(R)にダウンを奪い判定3―0で勝利した。衝撃の発言は試合後だ。戦前から大みそかに戦いたい〝意中の相手〟がいることをにおわせていたが、ついにその名前を口に出したのだ。

「ウソばかりついて、つくり話で金稼いで、階級が下のやつばかりにケンカ売って、同階級とはようやらんファイターになりきれん男とどっちがかっこいいですかね。おい、ウソこきシバター、かっこ悪いことばかりせんと男らしく試合やろうや」

この提案を受けたRIZINの榊原信行CEOは意外にも前向きだ。「勝負論がある形で大雅とかとやるのも一つだとは思うけど、大みそかは『格闘技』というコンテンツで紅白や民放各局と視聴率競争の中に立つことになりますから。そこでは『名前と顔が一致する選手が何をするのか』が問われる」と、対世間を意識した上でも価値あるカードだと認める。

その上で「地上波向けに皇治とシバターは組んだほうがいいのか(それぞれ違う相手と対戦して)縦に並べたほうがいいのか。ルールとか体重差もあるので、そこはしっかり考えなくてはいけないと思います」と話した。

一方、選手の立場から皇治の背中を押すのが、天敵の〝バカサバイバー〟青木真也だ。まずは「祖根に1ダウンの判定勝ちっていうのは厳しいよ。(租根は)総合格闘技の選手なんだから。もう皇治のアニキはキックボクサーとして徳俵まで来てる。いや、もう徳俵から半分出てるんじゃないか」と冷や水をぶっかける。

さらに「シバターとやるならMMA(総合格闘技)ルールでしょ。これをきっかけにMMAに来ればいい。アニキも復活できるから。幅が広がるよ。選手としてかって? いや『おもしろ芸人枠』として」と毒ガスを噴射した。

皇治は那須川天心、武尊の両雄と戦い、抜群の知名度を誇る一方、キックという枠の中ではテーマが見つかりにくくなっているのも事実。だが、シバター戦をきっかけにMMAに転向すれば、新たな道が開けると言いたいのだ。「だからアニキは俺のところに、『青木再生工場』に来い。そこで〝床運動〟を教えてやるから」としゃがれた声で呼びかけた。

当のシバターは自身のユーチューブチャンネルを更新し「ちょっと遅い。11月の頭に皇治が『やらない』と言っていた。12月に営業仕事をたくさん入れているので出られないですよ」と対戦拒否の構えを見せるが…。

RIZINのプロフィルでは皇治が173センチ、61キロで、シバターは180センチ、94キロ。体格差が歴然とする中で、主催者、選手からも猛プッシュされる異次元マッチ。注目を集めそうだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社