オリックス・宮城大弥 初の日本Sで大熱投 “再発奮”のウラに同期・奥川、佐々木朗の躍進

敗れたが、好投が光ったオリックス・宮城(東スポWeb)

大舞台での好投要因はやはり同期ライバルの存在か。日本シリーズ第2戦が21日に京セラドーム大阪で行われ、オリックスはヤクルトに2―0で競り負け、対戦成績を1勝1敗の五分に戻された。だが、先発・宮城大弥投手(20)は、黒星こそ喫したものの8回途中5安打1失点7奪三振の好投。改めて能力の高さを見せつけた。

序盤から自身の武器である緩いカーブを生かした緩急をつけた投球がハマり,、相手打線を翻弄。初回から凡打の山を築き、6回一死まで一人の走者も許さなかった。8回二死一、二塁から青木に痛恨の適時打を許したものの、日本シリーズという大舞台で112球の〝熱投〟は文句なし。本人も試合後「全体的にはいい感覚、バランスで投げられたんじゃないかと思います」と話しただけに、満足感ある投球だったのだろう。

とはいえ、宮城は今季開幕から5連勝を飾るなど前半戦こそ9勝1敗の好成績も後半戦は4勝3敗と失速。特にシーズン終盤は安定感を欠く投球が目立ち始めていた。そんな宮城が大舞台で一変した要因は公式戦でたまった蓄積疲労が回復したこともあるが、それ以上に大きいのが同期ライバルの急成長と言われる。

前日の日本シリーズ初戦では同期のヤクルト・奥川が自軍相手に躍動。白星こそ逃したものの、7回1失点という堂々の投球を見せた。さらにシーズン終盤には同じく同年齢のロッテ・佐々木朗がリーグ優勝争いの中でチームの中心投手に成長を遂げた。ライバルが次々と頭角を現し始めれば宮城の心に闘志がみなぎるのも無理はない。

一見すると純朴な20歳の青年も、実は人一倍の負けず嫌い。プロ1年目の春季キャンプでは「僕は2人(佐々木朗、奥川)のような速球は投げられない」と話す一方、自身は地道な努力を重ね、現在の緩急を付けた投球を習得。プロ初登板や初勝利など常にライバルを一歩リードしてきた。そんな反骨心の持ち主でもあるためライバルの急成長は宮城にとってもプラスに働くはずだ。

次戦登板はもつれた場合の第7戦になりそうだが、本人は「(次戦までに)修正できる部分はたくさんあると思う。次あるとしたら、今のできる部分をもっと増やしていいピッチングをしたい」と早くも意欲満々。世代トップを譲らないためにも、20歳の左腕は最後の大一番でさらなる快投を狙っている。

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