豪雨被災の人吉市、復興へライトアップ 青井阿蘇神社や人吉城跡など 観光関係者ら有志が実証実験

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「人吉ひかりの復興計画」実証実験でライトアップされた青井阿蘇神社の鳥居と楼門=人吉市

 昨年7月の豪雨で被災した熊本県人吉市で夜間、国宝・青井阿蘇神社などの観光スポットがライトアップされている。観光関係者ら有志でつくる「人吉ひかりの復興プロジェクト」が実証実験として実施。多くの店が被災し、今も明かりが戻っていない夜の街を癒やしの光で彩っている。

 ライトアップしているのは、球磨川沿いの人吉城跡の角櫓[やぐら]や石垣、球磨川下り発船場にある手すり、幽霊寺で知られる永国寺など。温かみのあるLED照明で浮かび上がらせている。歴史的景観が残る鍛冶屋町通りでは、人吉球磨特有の遊び「ウンスンカルタ」に登場する図柄を影絵にして路面に映している。

ライトアップされ、球磨川と支流・胸川の合流点付近に浮かび上がる人吉城跡の角櫓と石垣

 「被災後まだ暗い夜の街に希望の光をともし、市民を元気づけたい」とプロジェクト代表で温泉旅館社長の有村充広さん(46)。観光客の増加やSNS(会員制交流サイト)への写真投稿による宣伝効果にも期待し、「人吉ひかりの復興計画」として本格的な取り組みを市に提案している。

 実証実験は、人吉温泉旅館組合が2月、山口県長門市の温泉街の取り組みを参考に開始。今回は同プロジェクトが引き継ぐ形で10月に始め、ライトアップの場所や期間を拡大した。観光庁の助成金2千万円を活用し、引き続き大阪市の照明デザイン事務所の協力を得た。

 来年1月末まで毎日午後6~10時に点灯。各スポットにアンケート用のQRコードを掲示しており、寄せられた感想などを分析して市に報告する。(中村勝洋)

鍛冶屋町通りの路面に映し出された、ウンスンカルタに登場する竜の影絵