改称し伴奏から主役へ 佐野の「オーケストラSANO」 28日に交響曲披露

本番に向け練習に励むオーケストラSANOのメンバーら(提供写真)

 【佐野】新型コロナウイルス禍を受け、今夏に名称を一新し、再スタートを切った市ゆかりの音楽家による管弦楽団「オーケストラSANO」が28日、市文化会館でコンサートを開く。これまで「オーケストラ・アンサンブル佐野」として公演ごとに招くソロ奏者の伴奏を務めてきたが、今回はオーケストラが主役となり交響曲に挑戦する。メンバーは「年に1、2回定期演奏会を開けるような常設オーケストラにしたい」と意気込んでいる。

 コンサートは2009年から、「暮らしの中にクラシック音楽を」をテーマに同会館が主催。当初はサックスやバイオリン、ピアノなどのコンサートを開き、13年からは公演のたびに編成されるオーケストラ・アンサンブル佐野がソロ奏者に共演してきた。

 だが、昨年の公演はコロナ禍のため中止になった。早期再開に向けメンバーが話し合ったところ、「楽団の名前を変え、さらなる発展を目指すことになった」(事務局)という。

 今回集まったメンバーは市出身・在住者計16人を含む約50人。指揮者にはファゴット奏者でもある市在住の鈴木明博(すずきあきひろ)さん(64)を迎え、モーツァルトの交響曲第40番などを披露する。ナビゲーターとして恒例の楽器紹介なども行う鈴木さんは「親しみの持てる曲を中心にプログラムを組んだ。これをきっかけに少しでもクラシック音楽を身近に感じてもらえたらうれしい」と話す。

 コンサートの実行委員長を務める大祝町、田沼清(たぬまきよし)さん(84)は「市の音楽関係者にとって常設のオーケストラは悲願」と、今後のオーケストラSANOの活動に期待を示している。

 入場料は一般2千円、高校生以下500円。(問)同会館0283.24.7211。

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