科学コミュニケーションの発展目指し、ネイチャー・アワードが新たなコンペティション開催

Nature Awards(ネイチャー・アワード)と学術出版社のシュプリンガー・ネイチャーは、ドイツの製薬会社、メルク社と共同で、科学への認識を高めることを目的とした新しいコンペティション「Science in Shorts(サイエンス・イン・ショーツ)」を開催する。

「Science in Shorts」は、科学者が自身の研究内容を伝えるオリジナルの動画を制作し、一般に公開して評価を競うというもの。あえてコンテスト形式にすることで、専門家だけの世界に閉じ込められがちな科学を広く一般市民に伝え、人々と科学との接点を創出しようという試みだ。

応募できるのは、2020年11月1日から2021年11月1日までの間にネイチャー・ポートフォリオのジャーナルに出版された論文の著者。筆頭著者や責任著者であるかに関わらず、誰でも自由に応募することができる。60秒の制限時間内に、応募者それぞれが相応しいと思う方法で各自の研究を紹介する。

応募期間は、2021年11月15日(月)から2022年2月28日(月)まで。2022年7月に一次審査が行われ、ネイチャー・ポートフォリオ全体から選抜された編集者と報道記者、映像作家、研究者、コミュニケーション専門家による学際的なチームが上位10作品を候補作として選定する。選定された10作品にはそれぞれ5,000ユーロが授与され、nature.comとYouTubeで公開される。公開後、さらに一般市民による投票が行われ、最終候補作の中から「People’s Choice」受賞作が選出される。

シュプリンガー・ネイチャーのVP PublishingであるRichard Hughes(リチャード・ヒューズ)は開催にあたり、「科学コミュニケーションの難しさはよく知られていますが、その重要性はますます高まっています。このコンペティションでは、科学と一般市民との間のギャップを埋め、科学者が自身の研究を正確でわかりやすい方法で共有し、より多くの人たちの共感を得られるようにすることを目指しています」と期待を寄せている。

参考:【シュプリンガー・ネイチャー】科学の秘密を明らかにする–Nature Awardsが科学への認識を高めることを目的とした新しいコンペティションを開始

© 大学ジャーナルオンライン