テールライトにカタカナの「フ」が増殖中! 「フ」に見える形状のテールライトを採用するモデル3選

街中を走るクルマを観察していると、ライトの形状にはじつにさまざまなものがあることがわかる。ライトは安全性にも大きく関わる重要なパーツで、法規上、色や明るさ、面積、光源、光度、取り付け位置といった制約を満たす必要があるものの、HIDやハロゲン、キセノンなどからLEDを採用するモデルが増えたことによって、形状の自由度が高まってきている。そこで今回はちょっと変わった形状のものとして、カタカナの「フ」のように見えるテールライトを持つ3台を例に挙げ、紹介しよう。

スバル 新型BRZ

シャープで精悍なスタイルが特徴のトヨタ ヤリス

コンパクトハッチバックのトヨタ ヤリスはデザインコンセプト「B-Dash!」を掲げ、「大胆に、活発に、そして美しく」をデザインのテーマとしている。

全体的には鋭い弾丸のような形状で、リヤは一体的に造形されたウインドウとテールライトで立体的なグラフィックとし、「通り過ぎてからもハッとする後ろ姿」にこだわったという。

鋭い弾丸のようなデザインは後ろ姿もシャープな印象だ

今にも走り出しそうな鋭い加速感を全面に表現しており、「フ」のように見えるテールライト周りを張り出させたリヤデザインもそうした印象を高めるのに一役買っている。

テールライト周りは張り出している

先代から受け継いだデザインでアイデンティティを表現するホンダ シビック

2021年に発売された11代目のホンダ シビックにも「フ」のように見えるテールライトが採用されている。だが、これは2015年に登場した10代目から受け継いだデザインだ。

11代目シビックのリヤデザイン

シビックではこれはカタカナの「フ」ではなくシビック(CIVIC)の「C」を表し、アイデンティティにしているという。確かに、右側から見れば「フ」だが、左側からでは「C」にも見える。

「CIVIC」の「C」を表現している

ライト形状の自由度が高まったことで、デザイナーの「遊びゴコロ」を上手に表現した例と言えるだろう。

連続した造形で一体感を表現したトヨタ GR86&スバル BRZ

2021年に2代目が登場したトヨタとスバルの共同開発モデルのトヨタ GR86とスバル BRZ。

両モデルではライトをフルLED化することによって、ライトの機能を集約、小型化できたという。これによって生まれた「フ」のデザインがスポーツカーらしい引き締まったリヤビューを演出する。

さらにトランクガーニッシュモールから連続した造形となっており、リヤ全体の統一感も高まっている。

「フ」の造形でリヤビューがより引き締まった印象に

スポーツモデルに多い「フ」のテールライト

いかがだろうか。闇夜に浮かぶ「フ」の文字はインパクトもあり、つい気になってしまったが、それぞれコンセプトの象徴となっていることがわかる。

また、今回は期せずしてスポーティーなモデルの紹介となったが、「フ」の形状にすることによって引き締まったリヤデザインに見えるから不思議だ。

ぜひ新しい視点を持って、愛車や街を走るクルマを見てみてほしい。思いがけないところにデザインのこだわりが詰まっているかもしれない。

【筆者:MOTA編集部】

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