株式会社スノーピーク(新潟県三条市)とシタテル株式会社が共同制作した宇宙船内服が国際宇宙ステーション搭載可能に認定

株式会社スノーピーク 本社

株式会社スノーピーク(新潟県三条市)は22日、シタテル株式会社(熊本県熊本市)と共同で企画・提案した宇宙船内服が、JAXAによる審査を通過し、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載する生活用品として搭載可能の認定を受けたと発表した。

スノーピークは「宇宙空間での生活」という未来における新たなライフスタイルの創造を実現することを目的に、国内初となる「宇宙と地上双方の暮らしをアップデートする衣服」の企画・開発を後押しするプロジェクトに参画。またシタテルは、アパレル業界内外の事業者も結びつけながら、宇宙空間という極限環境に適した新しい衣服を開発する目的で、2020年7月よりJAXAが始動した「THINK SPACE LIFE」プラットフォームにインキュベーションパートナーとして参画してきた。

このような背景を受け、2月にはスノーピークとシタテルが共同企画提案した宇宙船内服が国際宇宙ステーション(ISS)に搭載予定の生活用品候補として選定。このたび、ISSに搭載する生活用品として搭載可能の認定を受けた。

宇宙船内服は、過酷な環境下における宇宙飛行士や宇宙旅行者のQOL(Quality of Life)向上を目指し、「究極のノンストレス・ウェア」として企画・開発したという。着心地のよいウェアとして近年人気が高く、かつ生地のロスが発生しにくい無縫製を採用。また素材面においても天然素材を中心に選定しており、最新技術と高いデザイン性を掛け合わせた、ニュースタンダードな衣服として開発した。

宇宙服には、着心地のよいウェアとして近年人気が高く、且つ生地ロスが発生しにくい「WHOLEGARMENT®」(ホールガメント 株式会社島精機製作所の登録商標)の無縫製編製を大部分のパーツで採用。「WHOLEGARMENT®」で再現できないテクニカルなパーツは、一部縫製を入れる仕様にすることで、着心地と着用した際の不便さを可能な限り最小単位のパーツで構成したハイブリッドなウェアを実現した。

素材は、株式会社ニッケファブリックが開発した「AXIO(アクシオ)」というウールポリエステル素材の糸をベースに作成。蒸れにくく臭いにくいという本来のウールの特性を生かしつつ、優れたストレッチとソフトな肌触りや、毛玉ができにくく丈夫で長持ちすることを考慮し開発した。

また、同試作品に関しては、宇宙飛行士である若田光一氏が開発に協力し、フィードバックを受けながら改良を重ねた。無重力という宇宙環境において、ポケットの中にいれた物が出てしまわないよう、パンツのポケットに使用している面テープを引っかかりの少ないタイプに変更するなど、地上と宇宙空間という場所に依存しないシームレスで快適な状態を体感できる新しいライフスタイルウェアを実現したという。

スノーピークとシタテルが共同で企画・提案した宇宙船内服は、今後一般販売も予定しており、広く一般にも購入・着用できるよう進めている。

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