令和の〝まおちゃん〟島田麻央 フィギュア界の歴史を変えた13歳へ高まる期待

ノービス世代で注目される島田麻央(代表撮影)

フィギュア界にまた一人、新星が出現した。21日に閉幕した全日本ジュニア選手権(愛知・名古屋市)に1つ下のカテゴリー「ノービス世代」として出場した島田麻央(13=木下アカデミー)が1994年の荒川静香以来の〝飛び級V〟を達成。平成の世に現れた天才スケーター・浅田真央にあやかって名付けられた令和の〝まおちゃん〟が、早くも大きな期待を背負っている。

名付け親は大の真央ファンだった母・歩さん。真央が全日本3連覇を達成する2か月前の2008年10月30日に生まれ、その瞬間から氷上のヒロインになることが宿命づけられた。令和の〝まおちゃん〟が世の中を驚かすには時間がかからなかった。今年3月、京都府スケート選手権で日本女子初の4回転トーループを成功。出来映え点(GOE)で加点も引き出す完璧なジャンプを披露し、当時小6年(12歳)の少女がフィギュア界の歴史を変えた。

全日本ジュニアでも4回転トーループを着氷。堂々たる演技で先輩たちを飛び越して優勝を飾り、将来のエース候補に名乗りを上げた。現在、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)と4回転サルコーを武器とする全日本女王・紀平梨花(トヨタ自動車)が日本女子エースの座に就く。だが、今季はケガのため調整が遅れ、世界の舞台では強豪ロシア勢に大きく水をあけられる現状だ。

ロシアといえば、今季シニアデビューしたカミラ・ワリエワ(15)がグランプリシリーズのスケートカナダ(バンクーバー)で世界最高得点で優勝。彼女も13歳で4回転トーループを成功させており、今まさに〝怪物ルーキー〟として注目を浴びている。4回転ジャンプを連発する10代が毎年のように出現するロシア勢に押されっぱなしの日本にとって、島田は頼もしい存在。早くも救世主としての期待が懸かる。

26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪は17歳、30年札幌五輪の招致が決まれば21歳で迎える。今後どんな成長曲線を描くのか。今から楽しみでならない。

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