スティーヴン・キング作品に魅了されるエイドリアン・ブロディ制作総指揮・主演の「チャペルウェイト 呪われた系譜」

親族の屋敷を相続した父親が、代々受け継いだ呪いから家族を解放するために戦うゴシックホラーの「チャペルウェイト 呪われた系譜」。スティーヴン・キングが大学時代に執筆した短編小説を映像化した本作は、オスカー俳優のエイドリアン・ブロディが制作総指揮と主演を兼任して映像化。キングの作品は全部好きだというブロディに、撮影の裏話を聞いた。

── スティーヴン・キングの作品のどこにひかれますか?

「彼の作品はどれも好きなんだ。スティーヴン・キングが書くホラーは、ただ怖がらせるためだけのストーリーじゃなくて、人間を深く観察していて複雑な心理をよくつかんでいる。ドラマ性がとても強くて、そこが僕は好きなんだ。彼の本はもちろん好きだし、映画やドラマシリーズになったものも全部好きだね。彼みたいな幅広いジャンルで、たくさんの作品を書き続ける作家が存在すること自体に感謝しているんだ」

── ホラー作品ですが、撮影はどんな雰囲気でしたか?

「いろいろなチャレンジがあった。現場にいる人たち全員が協力し合いながらやっていくもので、みんなが頑張ったことによって一つのものが出来上がると理解していた。だから現場は、一致団結の協力精神にあふれていたよ。メークアップ、照明、衣装、ライター、監督、プロデューサー、それに共演者全員が協力して一つ一つのシーンを仕上げていく。みんなそれぞれが自分のやるべきことをやり、周りをサポートするというポジティブな思考を、みんながエンジョイしている感じだった。時には緊張感が充満し、時には笑いが発生し、いろいろなプロセスを通して何かをクリエートするという、充実感がある撮影だった」

── 子役の子どもたちとの共演はいかがでしたか?

「ホラー作品だけど、子どもたちも現実とフィクションの境界線をきちんと把握していて、撮影現場はフィクションの世界だと分かって行動していたよ。みんな非常にプロに徹していて、自分のやるべきことをキチンと理解してくれていた。まあ10歳の子の集中力が大人とは違うのは明白だけどね(笑)。父親役の僕が役の中に入り込んで演技すればするほど、子どもたちもそれぞれの役になりきった迫真の演技でついてくるんだ。子どもたちのナチュラルな感性ってすごいものだから、ごまかせないよね」

── ホラー作品は視聴者を怖がらせますが、あなたが怖いものは何ですか?

「ニュースが怖いよ。今のニュースは恐ろしいものばかりだ。世界中で悲劇が発生していて、毎日怖くて悲しいことが報道されている。アフガニスタンの想像に絶する悲劇と不正義が僕たちの目の前で繰り広げられ、僕たちはその悲劇の目撃者となっている。女性蔑視の現実と、それを何とかしたくても何もできないでいる人たち。そんな環境の中にいる人たちのことを思うと体が震える思いなんだ。自分の生まれた国にいながら、安全は一切保障されず恐怖の中で日々を過ごすなんて、現実の中のホラーだ。映画は、その人生のホラーを再現して擬似体験させてくれる。映画鑑賞は現実逃避になるというけれど、恐怖を擬似体験させてくれる場合もある。人間の苦闘やサバイバルの厳しさ、生活の中で実際に起きているホラーを見せてくれる。それを通して、自分が体験したことがないことを知り、その渦中にいる人たちの体験を身を持って感じ理解することの助けになると思っている」

【プロフィール】

エイドリアン・ブロディ(Adrien Brody)
1973年4月14日生まれ。米・ニューヨーク州出身。2002年の映画「戦場のピアニスト」でアカミデー主演男優賞を受賞。ドラマ出演作に、「ピーキー・ブラインダーズ」(13年~)、「フーディーニ 幻想に生きた魔術師」(14年)など。「キング・オブ・メディア」のシーズン3にも出演。

【番組情報】

「チャペルウェイト 呪われた系譜」(全10話)
12月21日スタート
スターチャンネル1
火曜 午後11:00~深夜0:00ほか(字幕)
※12月19日に第1話先行無料放送 ※21日は~深夜0:15、28日は休止

12月24日スタート
スターチャンネル3
金曜 午後10:00~11:10ほか(吹替)
※12月31日は休止

1850年、捕鯨船の船長だったチャールズ(エイドリアン・ブロディ)は、いとこがメーン州の小さな町に遺した屋敷に子どもと共に移り住む。幼少時のトラウマから幻覚に悩まされているチャールズは、いとこたちのことを調べるうちに、一族のある秘密を知り…。

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