ネット投稿が話題〝小3の息子が…〟博物館での模写禁止に賛否両論

江戸東京博物館(東スポWeb)

「息子が博物館で模写してたら咎(とが)められた…」。こんな内容がメディアプラットフォーム「note」に投稿され、話題となっている。

投稿者によると21日、東京・江戸東京博物館で開催中の特別展「縄文2021―東京に生きた縄文人―」を小学3年の子供と訪れた際、他の鑑賞者の邪魔にならないように子供が展示物を模写していたところ、スタッフから「模写禁止」を告げられてしまったという。

親子がこの特別展を鑑賞するのは2度目。展示室内には注意書きのボードに「模写禁止」の文字が書かれていたが、気付いておらず、1度目の時は模写を問題視されなかったという。

模写禁止のボードを確認した投稿者はルール違反だったことを認めたうえで、「子供の好奇心・探究心・学習をそぐような運営やルールがまかり通っている」と疑問視。これに対しネット上では「ルールを守るのが閲覧者の義務」「非常に杓子定規的。博物館は模写禁止にするのではなく模写のマナーを伝えるべき」など、賛否両論の声であふれている。

この状況に江戸東京博物館は「子供の学習意欲をそぐ意図はなかった」としたうえで、「当館の特別展示室は狭く、21日は日曜日だったこともあって混み合っていた。臨機応変に対応しているが、立ち止まって模写すると新型コロナ対策としては密になってしまいかねなかった」と釈明。今後については「前向きに改善を検討したい」としている。

海外の博物館や美術館では特別な指示がない限り、展示物の模写が認められている場合が多い。「近代絵画の父」と称されるポール・セザンヌも仏・ルーブル美術館で模写を重ねることで腕を磨いたといわれるが、博物館関係者は「子供の学習意欲をそがないでほしいという投稿者の意図も理解できるが、博物館は公衆衛生として新型コロナ対策を求められているのも事実。平時より厳しく対応せざるを得ない」と語る。

何とも難しい問題なのは間違いない。

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