年俸調停権保有選手へのテンダー期限が12月2日→11月30日に繰り上げ

メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は、年俸調停権を持つ選手に対して各球団が来季の契約を結ぶ意思があるかどうかを通達する期限(テンダー期限)を現地時間12月2日から同11月30日に繰り上げることで合意した。「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタールなど複数の記者が伝えている。もし労使交渉がまとまらずにロックアウトに突入した場合、従来の期限のままだとロックアウト期間に大量のノンテンダーFA選手が発生してしまうことになる。テンダー期限の繰り上げはそれを避けるための措置であると考えられている。

現行の労使協定が現地時間12月1日限りで失効し、新たな労使協定が合意に至らなかった場合、ロックアウトに突入し、FA契約やトレードといったトランザクションが凍結されると言われている。テンダー期限を繰り上げなかった場合、ロックアウトが始まってからノンテンダーFA選手が発生することになり、これらの選手はロックアウトが終了するまで契約先を見つけることができない。多くの選手が「宙ぶらりん」になってしまうのを避けるために、テンダー期限を繰り上げることで合意がなされたようだ。

よって、現地時間11月30日にノンテンダーFAとなった選手は、同12月1日にどこかの球団と契約することで不確実性を抱えたままロックアウトに突入することを回避できる。ローゼンタール記者が「一部の選手は恩恵を受ける可能性がある」と指摘しているように、スモールマーケット球団の経済的な事情からやむを得ずノンテンダーFAとなった有力選手については、ロックアウト突入の前に契約を結ぶべく、複数の球団による争奪戦が繰り広げられる可能性もある。

ロックアウトに突入した場合に起こり得ることに対応するための措置が取られたということは、裏を返せば、ロックアウトに突入する可能性がある(もしくは可能性が高い)ということでもある。現行の労使協定が失効するまで残りおよそ1週間。このまま労使交渉はまとまらず、ロックアウトの開始を迎えてしまうのだろうか。

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