寺地拳四朗が〝バッティング騒動〟に初言及「気にはなりましたけど…」

再戦が決まった(東スポWeb)

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ(9月22日)のV9戦で王座陥落し、その後に勃発した〝バッティング騒動〟によって現王者・矢吹正道(29=緑)との再戦が決まった前王者・寺地拳四朗(29=BMB)が24日、都内で記者会見を開き、公の場で初めて騒動に言及した。

父でBMBジムの寺地永会長、練習拠点の三迫ジム・三迫貴志会長が同席する中、ジャケット姿で会見場に現れた拳四朗。神妙な面持ちで「試合を組んでくださった(プロモーターの)山下会長、矢吹選手、関係者、応援してくださったファンの皆さん、ありがとうございました」と感謝の意を表し、続けて「最初は何も考えられないくらいショックで、今まで発言できずにすみませんでした。今はプレッシャーから解放され、リフレッシュして、また頑張ろうと思える気持ちになりました」と晴れやかな表情で語った。

一連のドタバタ劇の元凶は同試合の第9R。矢吹のヒッティングで右目上をカットした拳四朗は大流血し、10針以上も縫う大ケガを負ってTKO負けを喫した。試合後、このシーンがスローモーション映像付きでSNSに拡散されると「故意のバッティングだ」との疑惑が広がり、拳四朗陣営は日本ボクシングコミッション(JBC)へ意見書を提出。先月26日にJBCは文書で「不合理とは認められない」と回答したが、WBCはビデオ検証の末に再戦の指令を決定した。

リベンジ戦が決まり、現役続行を決意した拳四朗は「負けたら辞めようと思っていたが、そこから悔しさが出てきて、応援してくださっているファンから声をいただいて、僕の新しい第2のストーリーを見てもらえたらうれしいと思い、もう1回チャンピオンに返り咲きたいと思った」と打ち明けた。試合後、2~3週間たった後に心変わりしたという。

問題のシーンについては「全く覚えていない。そんな余裕もなかった。絶望感しかなかった」といい、故意のバッティングではないか?との指摘には「気にはなりましたけど、僕がどうこう決める話じゃない。それはレフェリーが決めること。僕は別に、結果が出ているので何も言うことはないです」と毅然と話した。

再戦は来春が予定されている。「新しいチャレンジが増えるので今はワクワクしています。とりあえず今は次の試合で勝つことだけ」。プロ生活で初めて黒星を経験し、新たな希望に燃えている。

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