沈黙を破った。ＷＢＣ世界ライトフライ級タイトルマッチ（９月２２日）で王座陥落した前王者・寺地拳四朗（２９＝ＢＭＢ）が２４日に都内で会見を開き、拳四朗の父・寺地永氏を批判してきた現王者・矢吹正道（２９＝緑）に対して反論した。
拳四朗は同試合９Ｒ、矢吹のヒッティングによって右目上をカットし、１５針も縫う大ケガを負ってＴＫＯ負け。試合後、その映像がスローモーションでＳＮＳに拡散されると「故意のバッティングだ」との指摘が広がり、父・永氏は日本ボクシングコミッション（ＪＢＣ）へ意見書を提出し、これが決定打となって来春の再戦が決定した。
ＷＢＣの再戦指令を受けて、矢吹は取材に「全て向こうの思い通りに事が運んでいるのは気にくわない」「向こうのお父さんがメチャクチャしますね。モンスターペアレントかって」と苦言を呈してきたが、この日、拳四朗はついに反撃に出た。父と弁護士がＪＢＣに意見書を提出したことには「会長がそういうことをするのは普通じゃないですかね。僕は普通に見守っていた感じです」と冷静に話したが、父への〝口撃〟に関しては「正直、父がどうこう言われるのは腹が立ちます。会長として（意見を）言うのは全然おかしいとは思わない」と言い切った。
結果的に父が動いたことで風向きが一変。一時は引退も考えたが、今では「自信を取り返すには負けた相手に勝つしかない。リベンジはすごくうれしい」と目を輝かせている。父のアシストを受け、再浮上しようとしている。
