山東省が中国の海洋総生産の約16%を占める

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【青島(中国)2021年11月23日新華社=共同通信JBN】山東省人民政府新聞弁公室(The Information Office of Shandong Provincial People's Government)が11月2日に開いた記者会見で、山東省の2020年の海洋総生産(GOP)が1兆3187億人民元に達して前年の98.10%まで回復したほか、この地域内の総生産(GDP)の18.03%、中国全体のGOPの16.48%を占めたことが明らかになった。山東省の海洋経済は、継続的な構造最適化を背景にして四半期ごとに回復し、海洋経済の力強い回復力と質の高い発展傾向が一段と強固になっていることを示している。

産業別にみて、山東の海洋経済の発展基盤は絶えず固められている。同省の主要海洋産業の付加価値は5073億人民元となり、前年の92.3%まで回復した。海洋エンジニアリング建設産業、洋上発電産業、海水利用産業はいずれも着実な発展を遂げており、前年比成長率はそれぞれ5.4%、4.9%、4.0%となった。海洋バイオメディカル産業は127億人民元の付加価値を達成し、中国で首位になっている。

港湾の観点からみると、世界クラスの港湾の建設が整然と進められている。山東港は世界クラスの海洋港の建設加速化と、船積み港から拠点港、貿易港、金融港への改善スピードを上げることを目指している。2020年に18の対外貿易用ラインを含めて新たに35のコンテナラインが加わり、ラインの数と密度はいずれも中国北部でトップの座を安定的に保っている。独自のイノベーションが業界の技術的障壁を打ち破るのを手助けし、約10の技術が世界初で、世界記録は7回にわたって破られた。2020年に海運産業は前年比4.8%増の1140億人民元の付加価値を達成し、規模において中国で首位の座を確保した。

科学・技術革新能力の点では、海洋産業の重要技術が引き続き新たな突破口を切り開いており、科学と技術が海洋経済の変革と向上を可能にしている。Shandong's Project of Replacing Old Growth Drivers with New Ones(旧来の成長推進力を新たな推進力で置き換える山東プロジェクト)の下でのMarine Biomedical Industry Investment Fund(海洋バイオメディカル産業投資資金)の第1段階は1億5000万人民元の規模に到達し、海洋医薬品の研究と開発に強力な支援を提供している。中国の「Blue Drug Storage(ブルー医薬品保管)」開発計画が綿密に遂行されたことで、新たな国家第1級免疫性抗腫瘍海洋薬であるBG136が近く、臨床試験段階に入る予定である。洋上風力発電の総合開発に向けた試験実証プロジェクトが開始されている。Shandong Industry Research Institute for Seawater Desalination and Comprehensive Utilization(海水脱塩と総合利用のための山東産業研究所)が海水脱塩の研究・開発(R&D)チェーンと産業チェーンを生み出すために設立された。

さらに、山東の海洋経済のグリーンな変革と発展が大幅に強化されている。海洋クリーンエネルギー産業は急速に発展している。2020年に同省の洋上風力発電能力は前年比4.1%増の178億9600万kWhとなった。39件の海水脱塩プロジェクトが完成し、1日の生産能力は37万1400トンとなった。海洋生態回復作業が加速化され、合計29件の危機的海洋生態回復プロジェクトが渤海で実行された。4675ヘクタールの沿岸湿地と62.82キロの海岸線が修復され、目標達成率は全体のそれぞれ123%、285%超となった。

ソース:The Information Office of Shandong Provincial People's Government