オリの合言葉は「GO TO KOBE」 極寒の本拠地で〝常夏男〟ヒギンス快投の予感

冬目前でもアンダーシャツを着ないヒギンス(東スポWeb)

25年ぶりの日本一を目指すオリックスはヤクルトとの日本シリーズ第4戦(東京ドーム)を1―2で落とし、まさかの3連敗で後がなくなった。それでも第5戦で白星を挙げれば、第6、7戦は前回、日本一に輝いた神戸に戻れる。かつて栄光をつかんだ舞台での大逆転劇を信じ、オリックスナインはファイティングポーズを崩さない。

オリックスに後がなくなった。先発の山崎颯は5回を4安打1失点の力投を見せたが、中嶋監督は同点に追いついた直後の6回から山崎颯に代えてベテラン増井を投入。これが裏目に出た。増井は二死一、二塁のピンチを招くと、3番手の比嘉がオスナに中前に運ばれ、痛恨の勝ち越し点を献上。打線はベテラン石川の120キロ台のストレートと変幻自在の変化球に翻ろうされ、リリーフ陣も崩すことができなかった。

「中嶋監督はあと1個負けたら終わり。全力でいくだけ」と前を向くしかなかった。

崖っぷちに立たされたオリックスだが、まだ望みはある。合言葉は「GO TO KOBE」だ。第5戦に勝利すれば2勝3敗で第6戦に突入し、舞台はほっともっとフィールド神戸に移る。今シリーズ初の屋外ナイターとなり、球団内では「これは寒いで。大丈夫かいな」と声が飛び交っていた。

球場のある神戸市須磨区の夜の気温は10度を切る寒さ。選手のコンディションを心配するのも当然だが、そんな中で注目されるのが中継ぎのヒギンスだ。極寒で知られる米国ミシガン州出身のヒギンスは日本の寒さ程度は平気なようで、真冬でもTシャツに短パンのスタイルが珍しくない。他の選手が震える中、氷点下慣れしているヒギンスが快投を披露する可能性は十分ある。

そんな寒さ知らずの〝肉厚男〟が控えるとなれば、何としても第5戦に勝利し、地の利に持ち込むしかない。

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