佐世保高1同級生殺害 元少女の収容継続 識者「矯正うまくいっていないのでは」

 長崎県佐世保市で、同級生を殺害し、医療(第3種)少年院に収容されている元少女(23)の収容継続が確定した。南山大の丸山雅夫教授(少年法)は「医療少年院での矯正が、必ずしもうまくいっていないのではないか」と指摘し、長崎家裁の判断に理解を示した。
 丸山教授は医療少年院の矯正教育について「対象者にはさまざまな人がいて、それぞれにあった矯正教育をするのは難しいと思う」と分析。さらに、昨年8月に福岡市の商業施設で少年院を仮退院した少年=当時(15)=が女性客を殺害した事件に触れ、収容継続の判断には「同様の事件が起きる可能性があり、この事件も影響したのでは」と指摘した。
 収容が長期になることについて「ただ長くいればいいというわけではない。意味のある更生機会にしなければ」とした上で、「満期退院になると保護観察が付かないので、保護観察付きの仮退院をさせ、社会で生きる力を養う方がいいのではないか」との見解を示した。


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