生徒が起業し商品開発 地元食材コロッケなどを完売 雲仙・小浜中「株式会社OBM」

地元婦人会の会員と一緒にコロッケを揚げる小浜中の生徒=雲仙市小浜町

 長崎県雲仙市小浜町の市立小浜中(伊藤信校長、141人)2年生43人が起業家教育で設立した模擬会社「株式会社OBM」は今月、自社開発したコロッケやスイーツの販売会を同町で開いた。生徒たちは「地元の食材で作りました~」などと呼び掛けて呼び込み、3商品計約1500個を約3時間で完売させた。
 同校は県教委から、起業し地元の魅力や課題を学ぶキャリア教育推進校の指定を受け、地元の事業所や生産者が協力している。昨年5月、生徒は地元食材を使った食品を開発・販売する模擬会社を設立。社名OBMはローマ字「小浜」を略し、「おいしさ、抜群、真心こめて」の理念を込めた。
 商品は▽同町産ジャガイモを使った「湯けむりコロッケ」(100円)▽同町の菓子製造会社に通って試作を重ねた「フワモチワッフル」(250円)▽湯せんぺいなどをトッピングした「湯けむりプレミアムソフトクリーム」(同)。今年5月、保護者や地域住民を同校に招いて会社説明会を開き、株券(1株500円)を360枚販売して資金を調達した。
 生徒が同町の小浜食糧のイベント「クルスまつり」に出店して販売した。OBM副社長の本多真帆さん(14)は「たくさんの人から笑顔で『ありがとう』と言ってもらった。地域とのかかわりで仕事ができることを学べた」とうれしそうに話した。同校で来月、株主総会を開いて活動を報告する。

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