木下富美子氏きっかけでポンコツ都議の報酬見直しも…上田令子氏「嫌な予感がする」

去っても炎上する木下富美子前都議(東スポWeb)

7月の無免許運転による事故から責任が問われていた木下富美子前都議が22日に議員辞職したとはいえ、これで一件落着ではない。木下氏が居座ったことで長期欠席する議員に報酬が支払われ続けることの是非など課題が浮き彫りになった。しかし、このままウヤムヤになりかねないという。

24日、本来なら木下氏への公開質疑が行われる予定だった議会運営委員会は粛々と終了。小宮あんり委員長は記者会見で「2回の辞職勧告決議への受け止めを質疑する予定だったが、結果として議会への説明責任を果たされないまま辞職となった」と木下氏に苦言を呈した。木下氏が居座り続けたことで都議会には苦情の電話が殺到。長期欠席でも議員報酬が支払われ続け、基準日に在籍していればボーナスも満額で出てしまうところだった。

辞職勧告決議が可決しても、「議員の出処進退は議員が決める」という言葉で言い逃れができてしまう。リコールも議員になってから1年たたないとできず、除名のハードルも高い。その気になれば木下氏はまだ都議でいられたわけだ。

一時期、都議会で話題になった報酬カット条例はどうなっているのか。都議会関係者は「前回の定例会から継続審査になっています。『都議会のあり方検討会』で話し合われます」と説明した。もっとも「あり方検討会」でいつ決まるかはまったくの未定だ。

前出の小宮氏は会見で、木下氏が残した課題について「辞職勧告決議が2度されるのも異例中の異例。木下氏一人がなさったことに焦点を当てて議論するというより、そもそも長期欠席の扱いだとかは、あり方検討会で話し合うことが決まっている。スピード感を持って進めてまいりたい」と話した。

この検討会に期待していいのか。「自由を守る会」の上田令子都議は「木下氏が辞めたことでウヤムヤになる懸念があります。とりあえず“やった感”を出そうとするのではないか。嫌な予感がする」と警戒している。

「長期欠席の場合は診断書を、事故なら事故報告書を提出させるようにすべきです。長期欠席中の報酬の支払いの見直しもしていかざるを得ない。“モンスター”が現れた時の対策はしないといけない」(上田氏)

都議会にとっては木下氏がいなくなってからがむしろ大事。“第2の木下富美子”を生まない制度作りが求められている。

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