朝鮮復興の道は「改革・開放」ではなく「革命」 すべての人民が参加する「赤い旗」運動

朝鮮では社会主義制度が成立した後も革命が続いている。

「思想・技術・文化の三大革命」がそれだ。3大革命路線は、朝鮮の社会主義・共産主義建設綱領、朝鮮労働党の総路線とされている。

金正恩総書記は、第5回3大革命先駆者大会参加者に送った(2021.11.18)でこれについて言及し、「革命の深化発展」すなわち「より高い段階の3大革命」によって社会主義の全面的発展期を切り開くことを訴えた。

朝鮮は思想・技術・文化の三つの赤旗を掲げて前進する(3大革命展示館の記念塔、労働新聞)

思想・技術・文化の領域で

 金日成主席は社会主義制度が成立した後も思想・技術・文化分野で革命を続けなければならないという継続革命論を打ち出した。

3大革命の骨子は次のようなものだ。搾取階級を清算する社会主義革命を通じて人々の社会政治的自主性を実現する問題が解決されても、人々を自然と社会の拘束、古い思想の拘束から解放する課題は残る。これを解決する思想・技術・文化の3大革命は、古い社会の遺物を清算し、新しいものを創造するプロセスだ。

朝鮮では、これを社会主義国家における革命の基本内容、社会主義制度樹立後の「継続革命」の課題として定めている。

3大革命は資本主義社会における階級闘争、搾取階級を清算する革命とは異なる。社会主義国家で古い社会の遺物を清算する闘争は、国家と社会の主人となった人民大衆を対象とする。すなわち革命の対象は自分自身となる。すべての人民を先進思想によって団結させ、経済発展と文明的生活を実現するための能力を開発する3大革命は、人間改造と集団的イノベーションを通じて社会主義建設の動力を創造する過程、朝鮮がいうところの「革命のチュチェ(主体)」を強化する過程となる。

金日成主席は、3大革命路線を実現するための大衆運動として、「3大革命赤い旗争取運動」を構想した。金正日総書記が、主席の意志を受けて、1970年代からこの運動を指導した。

敵対勢力の過酷な圧迫と制裁の中で、朝鮮がこれまで成し遂げたすべての成果は、3大革命の結実といえる。

いかなる試練と難関にも打ち勝ち、己の運命を自ら力で開拓していく人民が自力自強によって社会主義を守り建設してきた。 3大革命の旗を掲げず、「継続革命」を放棄していたなら、朝鮮が誇る「チュチェ(主体)を核とする革命戦略」は貫徹されなかった。国際舞台でその存在感を誇示しながら、重大な影響力を及ぼす社会主義朝鮮の今の地位は想像すらできなかっただろう。

 全国の均衡的同時発展の動力

 金正恩総書記は、我々は今後100年であろうと200年であろうと3大革命路線を純潔に継承し、完璧に具現していかなければならないと強調。社会主義の全面的発展期は、より高い段階の3大革命によってない遂げる新時代であると強調した。

そして3大革命赤い旗争取運動を革命発展の要求に合わせて拡大強化する方針を示した。

金正恩総書記が3大革命先駆者大会参加者たちに書簡を送った。(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

思想・技術・文化の領域で革新的成果を上げた単位に判定手続きを経て「赤い旗」を授与するこの運動は、これまで行政機関や企業、工場、協同農場、職場や作業班などを単位として展開されてきた。

今後は総書記が示した方針により、この運動が市、郡や従業員が数万人規模の連合企業所を包括するより広い範囲に拡大される。名実共に全社会的な運動、全人民的な運動として展開されるということだ。

書簡で示された方針は、朝鮮が目指す国家復興、つまり「特定の地域の発展にとどまらない全国の同時かつ均衡のとれた発展」と連動するものだ。今年1月に朝鮮労働党第8回大会が開かれた後、その決定遂行のための初の部門別会議として招集されたのも労働党の歴史で初となる市・郡責任書記の講習会(2021.3.3~6)だった。現在、すべての市、郡が、各地域の特性、条件に合わせた発展戦略と展望目標を現実的に策定し、頑強に実行することが求められている。

朝鮮の社会主義建設が深化発展するにつれて、この運動を市・郡を単位として展開するのは、合法則的な施策といえる。国内すべての地域の同時かつ均衡のとれた発展を成し遂げる動力も、思想・技術・文化の領域における革命とこれを通じた人間改造、集団的イノベーションから生まれる。

朝鮮で市・郡は「社会主義建設の地域的拠点」とされている。全国に200余りある市・郡が3大革命の旗を掲げ奮起すれば、新たな局面が開かれる。地方の姿が変わり、農村の昨日と今日が違ってくることから、全国の同時かつ近郊のとれた発展、社会主義の全面的発展期が始まる。

  形式主義・要領主義の克服

 第8回党大会が開かれた年、朝鮮ではすべての人民が参加する3大革命、国家復興に向けた総力戦が始まった。

金正恩総書記の書簡では、この運動が一部の模範的な単位や先駆者に限られ、判定を受けるための運動、旗を授与されれば終わる運動のようになっている現実が指摘され、運動に対する指導を改善するための課題が示された。 特に、事業上の特殊性や、様々な理由を持ち出して運動に参加しない現象をなくし、運動の士気を高めるために正しい賞罰制度を実施することを強調した。

金正恩総書記の書簡に対する集中学習を行う3大革命先駆者大会の参加者たち(労働新聞)

朝鮮は3大革命路線の貫徹において、形式主義と要領主義を徹底的に克服し、自力自強する人民に依拠して社会主義の理想を実現していく。

世界を見渡せば、国家復興の方法には様々な先例があるが、この国に適用される方法はない。 「改革・開放」や「外資依存」は他国が選んだ道だ。思想・技術・文化の三つの赤旗を掲げる朝鮮は、昨日も今日も変わらず革命によって難関を乗り越え、革命によって前進発展する国だ。

© 株式会社朝鮮新報社