石丸幹二, 安蘭けい etc 出演ミュージカル『蜘蛛女のキス』会見レポ、いよいよ11月26日、開幕

ミュージカル『蜘蛛女のキス』がいよいよ11月26日に開幕する。

ミュージカルも映画も大ヒットしたこの作品、アルゼンチンの作家マヌエル・プイグの小説が原作であるが、1976年に発表されて大ベストセラーとなり、のちにプイグ自身の手で1981年に戯曲化、1981年初演。それから1985年にはレナード・シュレイダーの脚色とエクトール・バベンコの監督により映画化、ルイス・モリーナ役はウィリアム・ハート、この映画でハートはアカデミー主演男優賞など各国の賞をさらい話題になった。そして1990年代にミュージカル化され、1993年にはトニー賞ミュージカル作品賞などを多数受賞、日本でも人気の高い作品となっている。
音楽と歌詞は、 『キャバレー』や『シカゴ』などのヒット作を生み出してきたコンビ、 ジョン・カンダーとフレッド・エブが手掛け、その名曲は、数々のミュージカル俳優によりコンサート等でも歌われてきた。 抒情的かつメロディアスな楽曲が、全編にわたり作品を彩る。
今回、演出を手掛けるのは気鋭の演出家、日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)。そしてモリーナ役には石丸幹二。蜘蛛女とオーロラの2役に挑戦するのは安蘭けい、革命家・バレンティン役は相葉裕樹と村井良大、Wキャスト。
初日に先駆けてフォトコールが行われた。
まず、冒頭のシーンから。蜘蛛女(安蘭けい)が登場、怪しくも不穏な雰囲気。それから一転して、モリーナ(石丸幹二)、オーロラ、オーロラの男たちのシーンに。ショーアップされた場面、オーロラ(安蘭けい)は映画スター、”スタア”の表記の方がしっくりくるような、そういった空気感を纏う。

モリーナは無類の映画好き、彼の頭の中は映画のシーンが次から次へと。監獄の中であるにもかかわらず、明るく、楽しい場面。そこから、いきなり”現実”、囚人たちが壁の向こうに思いをはせて歌う、恋人や家族と離れ離れ、しかも過酷な状況。そして、モリーナとバレンティン(相葉裕樹)の出会い。モリーナはなんとか打ち解けようとするもバレンティンは頑なに拒否、いや、それ以上、まさに”寄るな、触るな、話しかけるな”、かなり不機嫌。

それでもモリーナはめげない。勝手に自己紹介、モリーナはウインドウスタイリスト、おしゃれが大好き、モリーナとウインドウスタイリストたちが踊るシーンは可愛らしく、楽しい。
これが終わり、次の場面、刑務所の環境は劣悪、モリーナ、バレンティン(村井良大)、その他の囚人たちがぎゅう詰め状態にされている。2階、舞台の上層にはここの刑務所の所長(鶴見辰吾)、見下ろす形、物理的にも、そして立場的にも、刑務所内の立ち位置が一目瞭然。嘆くバレンティン、慟哭のようなナンバーが心締め付けられる。

ごく短いが、ミュージカル『蜘蛛女のキス』の世界観が垣間見える時間であった。
フォトコールの後に会見があった。
登壇したのは日澤雄介(演出)、石丸幹二、安蘭けい、相葉裕樹、村井良大。

見どころとしては、石丸幹二は「全編です(笑)」と言いつつ、「バレンティンとモリーナの話ではありますが、随所でのモリーナの中に出てくる蜘蛛女のショーを楽しんでいる私が大きな見どころ」と語る。そのオーロラ・蜘蛛女の2役を演じる安蘭けいはそれを受けて「久々にこんなに踊って歌って!すごく早変わりが多い。一幕だけで8回も、そこをお見逃しなく!」と笑う。しかし、宝塚時代に鍛えた”早替え”、フォトコールでは見事に!相葉裕樹は「2人のコミュニケーション」この物語の核となるのはバレンティンとモリーナ、会話を、コミュニケーションを通じて二人の関係がどうなっていくのかが大きなポイントとなる。村井良大は「緩急が激しいので」とコメント。ショーアップされた場面、そして監獄の状況、真逆なシーン、この落差は物語の重要な要素。演出を担う日澤雄介は「2人が監獄の中で出会い、共同生活を送るところから始まります。この2人の思惑、葛藤、どう変わっていくか、そこに蜘蛛女、モリーナの運命をどう押していくのか…」と語る。
稽古場は石丸幹二は「ほぼほぼ男所帯」と笑う。女性キャスト、安蘭けい、香寿たつき、小南満佑子の3人。だが、作品の構造はほぼ監獄の中という設定。よって”ほぼほぼ男所帯”と(笑)。
最後に演出の日澤雄介は「ミュージカルの演出は初めてです。スタッフさんなどに助けていただき、皆さんの力をお借りて、やっとここまできました、感慨深いです。素晴らしい作品です、是非とも劇場へ」とPR。石丸幹二は「コロナ禍、楽しくご覧になっていただくために精一杯、感染症に気をつけながら!『行ってみようかな』と思ったら是非!」とコメント。
安蘭けいも「素敵な素晴らしい作品です。モリーナとバレンティン、最後はどうなるんだろうか、どんな結末なのか…愛ってなんだろうetc.コロナ禍の中、愛を見て!」と語る。根底にあるのは様々な”愛”、その愛の形は…劇場で!この”愛”を受けて相葉裕樹は「愛とは何か、普遍的なテーマの作品だと思います」といい、村井良大も「予備知識がなくても、胸に感じる、心が震えるところがたくさんある作品です。家族、友人、一緒に観に来ていただきたいです」とコメント。東京は12月12日まで、その後は大阪の梅田芸術劇場にて12月17日~12月19日まで。

<石丸幹二インタビュー記事>

<公演概要>
ミュージカル『蜘蛛女のキス』
[キャスト]
石丸幹二
安蘭けい
相葉裕樹/村井良大(Wキャスト)
鶴見辰吾
香寿たつき
小南満佑子
間宮啓行
櫻井章喜

[スタッフ]
脚本:テレンス・マクナリー(マヌエル・プイグの小説に基づく)
音楽:ジョン・カンダ―
歌詞:フレッド・エブ
演出:日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
翻訳:徐賀世子
訳詞:高橋亜子
音楽監督:前嶋康明
振付:黒田育世

東京公演:2021年11月26日~12月12日 東京芸術劇場プレイハウス
大阪公演:2021年12月17日~12月19日 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

公式HP:https://horipro-stage.jp/stage/spiderwoman2021
公式Twitter: https://twitter.com/@spiderwoman2021

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