NASAの小惑星リュウグウのサンプル分析の様子

【▲2021年6月JAXAからNASAにはやぶさ2が採取したリュウグウのサンプルが届きました。画像はNASAのジョンソン宇宙センターのラボにおけるその分析の様子(Credit: NASA)】

2021年6月NASAにJAXAからはやぶさ2が採取したリュウグウのサンプルが届けられました。上掲の画像は、NASAが10月26日に「本日の1枚」として公開したNASAのジョンソン宇宙センターのラボにおけるその分析のようすです。

はやぶさ2が採取したリュウグウのサンプルが入った再突入カプセルは、2020年12月5日にはやぶさ2から分離され、翌12月6日に大気圏に再突入後、同日中にオーストラリアの現地本部に無事回収されました。JAXAによれば、採取されたリュウグウのサンプルの質量は約5.4gになるそうです。

そして、その一部が2021年6月にNASAに届けられました。

予備分析(preliminary analysis)のために日本から最初に分配されたサンプルのうちの1つになります。

予備分析のための鉱物学-岩石学サブチームのサブリーダーとしてその最初の分析にあたったマイク・ゾレンスキーさんは基礎的な性質を決定するためにリュウグウのサンプルを分析した最初の科学者の一人になりました。また、他にもジャンミ・ハンさん、ジェームズ・マルティネスさんなどもジョンソン宇宙センターの各部署からこの分析に加わりました。

このようにしておこなわれた最初の分析は、ジョンソン宇宙センターの構造工学部門の走査型電子顕微鏡ラボにおいて、5日ほどで完了しました。

なお、予備分析はこの後も引き続きジョンソン宇宙センターにおいて続けられています。

このようにして、リュウグウのような炭素質の小惑星(carbonaceous asteroids、C型小惑星)を研究することで、科学者たちは、太陽系の形成について、よりよく理解することができるようになるだろうと考えられています。

Image Credit: NASA
Source: NASA
文/飯銅重幸(はんどうしげゆき)

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