離島奪還「水陸両用作戦」を公開 防衛省、中国念頭、対処力向上へ 種子島

© 株式会社南日本新聞社

上陸する水陸両用車AAV7=25日、中種子町の長浜海岸

 防衛省は25日、他国に占領された離島の奪還を想定し、中種子町沖で部隊を洋上から上陸させる「水陸両用作戦」を報道公開した。奄美など南西諸島を含む全国で実施中の統合演習の一環で、陸上、海上両自衛隊の計約1500人が参加。海洋進出を強める中国などを念頭に、有事への対処と統合運用能力の維持向上を図った。

 海自輸送艦「くにさき」から、陸自水陸機動団員が乗った水陸両用車(AAV7)9両、海自エアクッション艇(LCAC)2両がごう音とともに水しぶきを上げ発進。約10キロ離れた中種子町の長浜海岸に上陸した。上空では陸自のCH47大型輸送ヘリコプターが飛び、部隊投入や輸送艦への着艦訓練をした。

 19日に始まった統合演習は30日まで。掃海隊群司令の福田達也海将補は会見で「大規模訓練の機会は貴重。地元理解があってこそできる」と強調。水機団長の平田隆則陸将補は「種子島の訓練環境はすばらしい。能力の保持を発信することで抑止効果も高まる」と述べた。

 長崎が拠点の水機団は2018年に発足以降、種子島で訓練を続ける。西之表市馬毛島への自衛隊基地整備計画では、水陸両用訓練も見込まれる。

 近くの高台で見守った中種子町田島の農業高磯博さん(63)は「LCACの音と船体の大きさは迫力があった。訓練をよく見に行くが、有事は起きない方がいい」と話した。

輸送艦「くにさき」に着艦するCH47輸送ヘリコプター=25日、中種子町沖
水しぶきを上げ砂浜に上陸するエアクッション艇=25日、中種子町の長浜海岸