掘削機、JR九州特急と接触事故 責任者2人を書類送検 過失往来危険の疑い

事故のイメージ図

 2019年7月、長崎市内でボーリング作業中の掘削機材がJR長崎線のトンネル天井を突き抜け、走行中の特急かもめに接触した事故で、長崎県警は25日、事前に十分な安全確認をしなかったとして、過失往来危険の疑いで、発注元と受注先の関係者2人を長崎区検に書類送致した。
 書類送検されたのは、発注した鉄道建設・運輸施設整備支援機構の工事責任者の男性職員(55)=福岡県大野城市=と、受注した共同企業体(JV)の1社、鹿島の現場責任者の男性社員(52)=福岡市=。
 書類送検容疑は、地下の埋設物などの調査や報告など、工事前にするべき安全確認を十分にせず、掘削機材を列車に接触させた疑い。県警は2人の認否を明らかにしていない。
 事故は19年7月11日午前10時25分ごろ発生した。九州新幹線長崎ルート関連工事のため、長崎市川平町でボーリング作業中、地表面から約13.5メートル下にある浦上-現川間のトンネルの天井を貫通。列車の先頭などが損傷したが、乗客らにけがはなかった。
 同機構は事故後、作製した発注図面のトンネル位置が実際と約80メートルずれていたことなどが原因だったと公表していた。同機構は25日、職員の書類送検を受け「多大なご迷惑をお掛けしたことを改めて深くおわび申し上げる。引き続き再発防止の徹底に努め、検察の捜査に全面的に協力する」とのコメントを発表した。


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