「石木ダムは要らない」 反対派が“人間の鎖”で抗議 川棚・川原地区

「人間の鎖」をつくって石木ダム建設に抗議する集会参加者=川棚町岩屋郷

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダムの水没予定地・川原(こうばる)地区で25日、建設反対を訴える集会「100人あつまれ!川原の里へ」があり、地元住民や支援者、国会議員ら計約230人が抗議の声を上げた。
 住民や支援者らでつくる実行委が主催。他県のダム反対運動に取り組む人らも集まった。
 石木ダムを巡っては2年前、川原地区住民の宅地を含む全ての用地が土地収用法に基づく明け渡し期限を過ぎたが、現在も13世帯が生活し、家屋撤去を含む行政代執行が可能な状況。県側は今年9月から本体工事に着手した。集会参加者は工事現場に向かって並び立ち、リボンで手をつないだ「人間の鎖」をつくり「ダムは要らない」とシュプレヒコールを上げた。
 山田勝彦、末次精一両衆院議員(立憲民主党、比例九州)も参加。元滋賀県知事の嘉田由紀子参院議員(無所属、滋賀選挙区)は「科学的なデータを積み上げ、石木ダムの不要性を訴えよう」と呼び掛けた。
 実行委の代表を務めた川原地区住民で、川棚町議の炭谷猛氏は取材に「石木ダム事業への疑問や反対を訴える多くの民意があることを示せた。今後この声は大きくなっていくと思う。さらに人数を集め、運動を発展させたい」と話した。

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