【知事一問一答】辺野古不承認「遺骨土砂、使用させぬ」「会話の糸口作らぬ政府」(21年11月26日)

 25日の記者会見での玉城デニー知事と記者団のやりとりは以下の通り。

 ―審査の期間が長期化した理由は。

 「厳正に法律に基づいて審査を進めてきた。内容をしっかりと精査し、県議会11月定例会が開会するまでには県民に示したいと考えていた。今般、審査内容が明らかになり、不承認とした」

 ―県と政府の主張がかみ合わないのはどうしてか。

 「県は『辺野古が唯一の解決策』と表現をする政府から、根本的な理由の説明を受けていない。政治的な解決策のみを表に立てて、会話の糸口を作ろうとしないことが、もつれてきた最大の要因だと指摘せざるを得ない」

 「不確実な要素を抱えたまま見切り発車したこの工事は絶対に完成しない。工事を中止し、県が求めている対話による解決の場を設定するということ。それが一番重要だ」

 ―不承認としたことで、結果として普天間飛行場の危険性の除去が遅れる。

 「県の調査では(新基地建設の完成まで)最低でも12年以上かかる。しかも軟弱地盤の工事によっては、さらにいつ工事が終わるか分からない不確実性があり、工期はどんどん延びていく。改めて政府に申し上げないといけない。一日も早い危険性の除去とは、その基地を使わないことだ」

 ―基地問題と振興予算はリンクすると考えるか。

 「リンクはしていない。振興は振興として、国土の発展のために重要なことだ。それを基地問題の賛成反対で、住民生活や地域の発展を阻害させるようなことがあってはならない。これは常識論だ」

 ―不承認判断には戦没者の遺骨が混じるとみられる本島南部の土砂の件も考慮したのか。

 「県では行政手続法に基づく審査基準が定められている。今回の審査には反映させていない。しかし、遺骨混じりの土砂が埋め立てに使用されることは、絶対にあってはならないと考えている。その声に真摯(しんし)に寄り添っていく思いからも今日のコメントに入れさせてもらった」

 
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