パイレーツ・筒香は一塁中心の起用か モランはノンテンダーの可能性

パイレーツと1年400万ドルで再契約することに合意したことが報じられている筒香嘉智。身体検査が完了後、再契約が正式発表される見込みとなっている。メジャーリーグ公式サイトでパイレーツを担当するジェイク・クラウス記者によると、パイレーツと筒香の契約交渉のなかで、一塁中心の起用について話し合いが行われていたようだ。今季は筒香と同じ左打者であるコリン・モランが一塁手として81試合にスタメン出場したが、クラウス記者はモランがノンテンダーFAとなる可能性があることを指摘している。

筒香はパイレーツ移籍後の43試合のうち、右翼手として20試合、一塁手として9試合、左翼手として2試合、指名打者として1試合にスタメン出場(残りの11試合は代打)。左翼より右翼での出場が多かったのは、パイレーツの本拠地PNCパークの右翼が浅く、左翼が深く広いことが影響しているとみられる。デレク・シェルトン監督はシーズン最終日、「あまりプレー経験のない右翼というポジションで彼を苦しめてしまった。成長を見ることもできたけどね」とコメント。ベン・チェリントンGMも含め、パイレーツの首脳陣は筒香を外野よりも一塁で起用したいと考えているようだ。

筒香を一塁手として起用する場合に問題となるのが、「左打ちの一塁手」という点において筒香とモランの役割が完全に被ってしまうことだ。モランは来季が年俸調停期間2年目のシーズンとなり、年俸は400万ドル前後まで上昇することが予想されている。ただし、今季は99試合で打率.258、10本塁打、50打点、OPS.724と平凡な成績。新たな労使協定でユニバーサルDH(両リーグ指名打者制)が採用されれば、筒香とモランを共存させることも可能だが、チーム再建中のパイレーツがモランに400万ドルを支払いたくないと考え、ノンテンダーFAを選択する可能性は十分にある。

パイレーツの現有戦力で、来季の年俸が筒香を上回るのはブライアン・レイノルズ(予想額450万ドル)だけ。筒香はチーム2番目の高給取りとして来季を迎える可能性が高い。パイレーツ移籍後に見せた打棒を維持し、年俸400万ドルの期待に応えることができるか注目だ。

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