抗がん剤で抜けた髪・・・治療は終わったけどいつウイッグ外すか問題 髪の悩みに寄り添ってくれるのは創業者を乳がんで亡くした美容室だった 両側乳がんになりました122

抗がん剤で抜けた髪・・・治療は終わったけどいつウイッグ外すか問題 髪の悩みがある方もおられると思います。治療などで髪の毛が抜けてしまったあと、ウイッグやケア帽子を使うのが一般的ですが、部分ウイッグなどを駆使しつつその後、いつ元に戻すのか・・・なかなか元の髪質に戻らないと悩む声をよく聞きます。この髪の問題に寄り添いたいと新しい試みを始めた美容室があります。

店主を乳がんで失い、母も・・・だから寄り添いたい

小樽市にある『ヤスエ美容室』(小樽市花園3)。医療用ウイッグを2014年から取り扱っています。プライバシーを保ちたいということから店内に専用スペースがあり、頭皮や髪型のカウンセリング、カットなどをしてくれます。(ウイッグは8万~12万前後、代理店を通さずできるだけ安くと考えているそうです。)

社長の有田さんは美容室の創業者であるおばさまを乳がんで亡くし、お母さまも乳がんで亡くされています。美しさを生み出す美容室で働きながら、その乳がんと生きる姿を見てきたからこそ、髪を大切にする気持ちが女性は強い、ことを実感しているそうです。そんなことから医療用ウイッグの販売を始め、8年続ける中で今度は『ウイッグをはずすこと』をお手伝いしたいと考えに至ったのだそうです。

(店主・有田さん スタッフ・島谷さん)

お店は花園の商店街の中にあります。その専用スペースへは店の裏側からも出入りできるので他の方からの目も気にせずに出入りできます。席の目の前にはスクリーンが。ここに鏡があるわけなのですが、鏡を直接見られない、という方も多い、ということでお客様がいいよ、というまでは鏡が見られないようにスクリーンを下したままにしているそうです。ありがたい配慮だと思います。

有田さんと働いておられる女性スタッフの皆さんで日々、患者さんと向き合う中で聞かれる声があります。

『髪質が戻らないとウイッグ外せない』『髪質が変わったのがショック』『パーマも毛染めも怖い』。

本当によく聞くお話です。

ウイッグを外すためには髪質を整える必要がある、と感じ、そこで考え出したのが『医療用のロケットトリートメント』。生え変わった髪のクセを穏やかにし、一本一本の髪に栄養素を注入して、毛髪の回復へと誘導していく、という仕組みだそうです。

(※ 施術は抗がん剤治療が終了しておよそ6か月以降の方で頭頂部の髪の長さが5センチ以上の方を対象)

有田さん『ホルモン治療をされている方だと、使えない発毛剤もあるのです。こういったものを排除して水を使う。PH(ぺーはー)の違う水を組み合わせて汚れを落とす、という考え方です。』

9.5とか3.5とか12.5とかその方の髪質を見ながらお水を使い、よごれを落とし、その後、栄養分を入れて油分で閉じ込めるということでした。(PHはアルカリ性とか酸性とかありますよね、リトマス試験紙のあれ、です。)

簡単に言ってしまうと、水のトリートメント、でしょうか。その後、シャンプーを行い、乾かします。

髪質改善・・・普段からできること 『乾かすとき』

乾かすとき・・・特筆すべきポイントがありました。

『まさつはダメ』

よくタオルドライでバサバサやっちゃいませんか?私はやっちゃいます。『タオルで押さえる、吸水させる』がよいそうです。こすったり、バサバサやってしまうとその摩擦だけでキューティクルなどが落ちちゃうそうです。

そして、乾かし方も・・・
『つむじに向かってあげるように乾かし』襟足も立ちあげて持ち上げるようにしたほうがいいそうです。

ドライヤーのとき、温風ばかり使ってしまうと思うのですが効果的に冷風を使って水分を入れ込んでいくと仕上がりが違うとのこと。

生渇きが一番よくないそうで、冷風・温風を使い分けて、しっかり目に乾かしたほうが髪質の維持になるそうです。

洗う前に”木のブラシ”でブラッシングするだけでも汚れは落ちるので肌を傷つけないことも大事です。

スタッフの島谷ひとみさん『治療中の方で髪を乾かしても乾かない方がいらっしゃいます。そういったときはホットフラッシュかな、とわかるので冷風にしたりします。』

これも何も言わずにそうしたことがわかる、とわかってもらえる安心感があるのではないでしょうか?

チリチリした毛で悩む方も多いと思いますが、通常使う200度の縮毛矯正のアイロンではなく、40度の低い温度の振動するアイロンを使うこともあるそうです。

施術が終わると、つやが出るのでよみがえったようだ、と目の輝きが変わって涙される方もおられてスタッフのみなさんも一緒に涙、涙、となることも。
復活するのに半年くらい、人によっては一年のおつきあいになることもあるそうなので、状況を理解し、伴走してくださる方の存在は大切、です。

スタッフの島谷さん『友人がホルモン治療中なんです。抗がん剤のときは枕元に5,6センチの髪の毛がいつも落ちていて、一緒に落ち込んだことがある。力になれればといろんな本音を言ってもらって今回のトリートメントを改善してきた。多くの方に喜んでもらえていることが、また原動力になります。』

シャンプーをする際にお湯洗いでも8割落ちるので、その方法などもアドバイスしているとか。

この医療用のロケットトリートメント、2回分を抗がん剤治療などの治療をされている方限定なのですが”無料”で提供されています。これも何かと物入りな中、ありがたいと思います。

ウイッグを外すお手伝いがしたい、この気持ちで取り組んでおられるそうです。髪が元気になると気持ちも元気に。社会との接点含めて、回復していくことが次の一歩につながりますよね。

創業95年の老舗美容室の新たな挑戦。必要としている方に届きますように。

51歳の女性から・・・

『はじめまして。私は右側乳がんになり来月で17年になります。
今は、主治医から寛解とも言われないまま通院していた病院から断られてしまいました。
コロナ禍も重なり定期検診も出来ないでいます。とても不安があります。相談する事も出来ず悩んでいます。』

若年性乳がんの時代にり患されて、17年サバイバーさん。私たちの光です。なかなか寛解とは言って下さりずらいですよね。私の母も15年になりますが、年に一回は通っていまして、健側側はマンモグラフィも行っています。通院していた病院でなくても受け入れてくださるところもあると思いますし、自治体のクーポンを受け付けて検診を行っている病院は相談に乗ってくださると思います。ぜひ、定期健診、受けられてください。

『がんとお金 ピンクリボントーク#7』
社会保険労務士に聞く 備えたいお金のコト まだもらえる 知らないと損する話

<日時>
2021年11月26日(金)午後7時
<視聴URL>
https://youtu.be/3fjRTffLTmQ
YouTube無料配信(HTB北海道ニュースYouTube)
<出演>
社会保険労務士法人Minds
代表/特定社会保険労務士 多屋美織
社労士オフィス ココロ咲くココカラ
代表/社会保険労務士 佐藤恵

聞き手)
HTB「おっぱい2つとってみた」制作 阿久津友紀
イベント後は、その内容を皆さんにシェアしていきたいと思います。

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