韓国紙「スパコン弱小国の韓国、国内IT大手は海外のインフラで開発」 スパコンの数は日本の5分の1以下

韓国はスーパーコンピューターのインフラが不足しているため、企業がAIモデルなどの開発のために海外スパコンを利用しているとの見方が出ている。

参考記事:韓国紙「韓国のスパコンは世界9位も、輸入頼みという根本問題が」「富岳はサムスン機の17.5倍性能」

韓国のIT大手カカオグループの子会社「カカオブレイン」は25日、Googleで開発したテンソル(ベクトルの概念を拡張した幾何学的な量)処理装置である「Google TPU」を活用し、1エクサフロース(コンピュータの演算速度単位で1秒あたり100頃の演算処理)を超える国内最大規模のディープラーニングスパコンインフラを導入したと明らかにした。

Google TPUは、Googleクラウドで利用可能な大容量演算インフラストラクチャだ。GPU(3Dグラフィック演算のための専用プロセッサ)を複数台のコンピュータに分割インストールせず、GPUより高速で複雑な演算を備えた上位システムをスーパーコンピューター一台に構築して活用する。

カカオブレインは該当インフラを活用して超巨大AI言語モデル「KoGPT」の研究効率を100倍以上高めるという計画だ。 KoGPTはOpen AIの言語モデル「GPT-3」を高度化した韓国語特化バージョンだ。 GPT-3は人間の言語を理解できる段階のAIだ。長い文章を一行にまとめるか、質問をすれば文脈を理解して答えることが可能だ。

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ITチョソンは26日、『スーパーコンピューター弱小国の韓国…カカオ子会社がグーグルクラウド使う理由』というタイトル記事を掲載し、「国内(韓国)にはAIビッグモデルを開発できるスーパーコンピューティングインフラがまだない」ためGoogleのサービスを利用するとするカカオ関係者のコメントを掲載した。

同紙はまた、超巨大AIを開発中の「LG AI研究院」もGoogleコンピューティングインフラを活用することや、ネイバーも超巨大AI言語モデルをNVIDIAとの協力を通じて開発していることを伝えた。

同紙は「韓国のスーパーコンピューティング競争力は米国、中国、日本に暫し遅れるという評価を受ける」としつつ、「スーパーコンピューティング分野は、米国と中国の戦いであるといっても過言ではない」と指摘した。現在、上位500位に入るスパコンの数で中国は173台、米国は149台となり、3位の日本が32台を大きく離すが、韓国はその5分の1以下の7台となっている。さらに次回の順位発表ではこのうち「2台が抜ける確率が高い」と指摘した。

今回の「TOP500」ではサムスンのスパコンが11位に入ったが、1位の日本の「富岳」とは約17.5倍の性能差があるとされる。韓国の場合は自国でスパコンを開発しておらず、そのことも各国との差が広がる要因と指摘されている。

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