車上生活経験者の坂本一生が“生き延びる知恵”を伝授

壮絶な体験を明かした坂本一生

コロナ禍で仕事を失ない、収入が激減して、生活に困窮して家を失い、車上生活を余儀なくされる人が増えている。道の駅や量販店の駐車場などを車で転々とするため、行政による把握が困難で、支援が行き届かないという。

車上生活経験のあるタレントの坂本一生は「車上生活になる前に、親しい人に相談して、お金を借りたりすれば良かったんだけど、送り出してくれた人たちに甘えるわけにもいかなくて、誰にも言えなかった。車上生活を回避するには、相談するしか手段はないのかもしれません」と語る。

坂本はかつて仕事の関係で、神奈川県横浜市から北海道旭川市に移り済んだことがある。しかし、仕事上のトラブルで家を失った。

「寒い冬の1か月間の車上生活は大変だった。あの経験から、精神的にはすごい鍛えられたと思う」
土地勘がある場所でないと車上生活もできない。そこで自動車を長時間停めていても注意されない場所として、土地勘がある横浜の中でも、人通りが少なく長時間路上駐車ができた横浜みなとみらいを選んだ。

「公衆トイレが近くにあるのは大切。僕の場合は、みないとみらいの商業施設にお世話になった。コンビニやスーパーの処分品を安い時間帯を狙って購入。近くの商業施設のトイレが空いている時間帯に、トイレの洗面所で衣類を洗濯して掃除のおばさんに白い目で見られることもあった」

幸い一人ではなかったことが救いだった。後に妻になった当時の彼女と二人で車中泊を1か月続けた。

「普通の乗用車だから、シートはフラットにならないので、シートを倒しても腰に負担がかかってつらかった」

タクシーのドライバーが人通りが少ないところにクルマを停めて仮眠休憩するような状況を毎日続けたという。

「所持金の残高を気にしながら、倹約生活だから、ファミレスや定食屋なんて贅沢はできなかった。寝具もなかったので、厚着をして生活。さすがに1か月続けた後に、従兄に相談してお金を借りて部屋を借りて、トラックのドライバーを始めて、生活を立て直したんです」

一人で抱え込んでいては、壮絶な生活が続くので、生きるためには知人に相談することが大切だ。

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