みんながしっかり輝ける場所を 若手の発掘にも全力でぶつかる車いすラグビー ・池崎大輔選手の思い

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。今回は東京2020大会が開催された東京で行われる取り組みや人々の思いを紹介する「Our Legacy」で、パラスポーツのなかでも激しい競技である車いすラグビーの池崎大輔選手を紹介しました。

◆Our Legacy「車いすラグビー 池崎大輔」

(池崎大輔選手)
「(東京パラリンピックは)いろいろな困難を乗り越えて作ってくれた舞台なので、そこで、どうしても結果が欲しかったという、今までにない思いがあったので、そう考えると、悔しさしかない」

リオ大会で銅メダルを獲得し、2018年、世界選手権で優勝。
金メダルを射程圏に捉えていた池崎選手にとって、結果は納得のいくものではありませんでした。

パラリンピックで唯一、車いす同士がぶつかるタックルが認められている、車いすラグビー。
試合は4人制。障害が軽度な選手ほど持ち点が高く、4人の持ち点の合計が8点を超えないようにして行う競技です。

6歳のときに、手足の筋肉が衰えていく難病を発症し、車いす生活になった池崎さんの持ち点は、3点。
より多くの得点を稼ぐことが求められるポジションです。

2018年の世界選手権では、リオパラリンピック大会の王者、オーストラリアを破り、初優勝を遂げ、MVPにも輝いた池崎選手。
このころから、ある悩みが…。

(池崎大輔選手)
「車いすラグビー界は、選手層でいったら、人数的には少ないです。なので、もっともっと、車いすラグビーに当てはまる障害のある方々に、自分たちのやっている車いすラグビーというものを届けないといけない」

池崎選手らベテラン勢が目覚ましい活躍を見せる一方、若手の選手層が薄い日本。

そこで、車いすラグビーの将来のため、池崎選手は、2018年に、東京を拠点とする「TOKYO SUNS」を設立しました。

(池崎大輔選手)
「若手を入れて、若手の育成をしながらも、もっとたくさんの人に車いすラグビーを知ってもらいたいと考えて(チームを)作ったんですよ。『みんながしっかり輝ける場所がここにある』という意味で『SUNS』と(チーム名を)付けた」

2019年の日本選手権では、選手兼ヘッドコーチとしてチームを率いて、初出場で優勝に導き、大会MVPも獲得しました。
チームとして順調な船出を切ったかに見えた「TOKYO SUNS」。しかし、そこに大きな壁が立ちはだかりました。

(池崎大輔選手)
「もし、(車いすラグビーを)見たい人がいたり、やってみたい人がいたりしても、パラアリーナって、なかなか行こうと思って行けるところではないので」

車いすラグビーは、激しいコンタクトプレーで床を傷つけてしまうため、パラアスリート専用の施設を借りて練習をします。
そのため、興味のある人が気軽に見学にも行けず、若手の発掘も困難だというのです。

池崎選手の思い描く未来とは…。

(池崎大輔選手)
「パラスポーツと興味のある人の出会いの場、そういう場所が、その先につながっていくんじゃないかと思う。僕が思うのは、"自分の城”を建てたい」

ひとりでも多くの人に、パラスポーツへの門戸を開くため、全力でぶつかり続けます。

<番組概要>
番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:久保井朝美、中村美公
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/

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