自衛隊の大型車両、桜の枝折り引き返す 本部・八重岳

 【本部】防衛省統合幕僚監部は26日午後5時10分ごろ、自衛隊統合演習(実動演習)のために大型車両を沖縄県本部町の八重岳に搬入させたが、町道沿いの桜の木を一部折ってしまい、頂上付近から引き返した。防衛省関係者によると、電子戦を想定した訓練。市民約20人が集まり、「戦争でたくさんの人が亡くなった場所だ。戦没者の魂が桜の木に乗り移って阻止したのではないか」と話した。訓練は29日まで予定されており、防衛省は27日以降の対応策を検討するとみられる。

 午後2時ごろには県警機動隊が駆けつけ、自衛隊車両の進入阻止のため座り込む市民らを強制排除した。レーダーを詰んだ大型車両などが頂上の自衛隊施設に向け進んだが桜の木に阻まれ約3時間後に引き返した。

 自衛隊の大型車両は3台入り、うち2台はアンテナとみられる機材を積んでいた。防衛省が本部町に提出した申請書によると、使用目的は「陸上自衛隊演習および陸自システム通信訓練のため」としている。同町は電子戦との関連性を防衛省に問い合わせたが、同省は年3回程度実施している「通常の通信訓練で、電子戦ではない」と否定した。▼【動画】装甲車など80台が次々に…沖縄で自衛隊統合演習
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