コロナ対策補助金訴訟 長崎の医院 取り下げへ 厚労省謝罪、入金確認条件

厚労省の担当者(手前)に手続き遅れの経緯を尋ねる本田理事長(中央)=参院議員会館

 長崎市の本田内科医院が、医療機関への新型コロナウイルス対策補助金の交付が遅れているのは事務処理上の過失があるとして、国を相手に損害賠償を求めた訴訟で、同医院の本田孝也理事長が26日、東京都内で厚生労働省の担当者と面談した。担当者は事務手続きが遅れていることを謝罪。本田理事長は未払い額の支払いが確認できれば訴訟を取り下げることを明らかにした。
 訴訟は、3月に発熱外来に対する補助金の概算請求額約290万円が決定したにもかかわらず、交付が約7カ月遅れているとして、実際の確定額との差額分や慰謝料を含めた約500万円の損害賠償を求め10月に提訴。本田理事長が会長を務める県保険医協会のアンケートでも似た事例が確認され、医療機関を代表して訴訟に踏み切った。
 事態を知った秋野公造参院議員(公明)が双方の間に入り、訴訟外で解決する道を模索。面談では、厚労省の担当者が手続きの際に医療機関に送ったメール内容に誤解を生む表現があったことや、全国で一部未払いを含め2千~3千件の未払いがあることを説明。「大変ご迷惑をお掛けした。おわび申し上げる」と本田理事長に謝罪し、他の事例を含め、交付に向けた事務手続きを進めていることを報告した。
 本田理事長は「説明には納得できたが、対応が遅すぎる。迅速に手続きを進めてほしい」と求めた。


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