沖縄軽石の回収に産学連携で装置開発 鳥取大の松原名誉教授ら国頭漁協と連携

 【国頭】水産専門商社「ニチモウ」(東京都)と、鳥取大学の松原雄平名誉教授を中心とした研究会(兵庫県の吉田組など)のチームは軽石の早期除去を進めるため、回収装置の開発に取り組んでいる。17日、国頭漁業協同組合と協力し、国頭村内の漁港などで装置の試験を実施。5~10分間で約100キロの軽石を回収した。

 軽石は漁船などのエンジントラブルの原因になっており、早期解決が求められている。チームが開発した回収装置は小型で、軽トラックや無動力船で運ぶことができ、少人数での作業も可能と見込まれる。くみ上げた海水流路の圧力差を利用して軽石と海水を一緒に吸い上げ、軽石を分離、回収する。

 チームを統括するニチモウ研究開発室の熊沢泰生室長によると、松原名誉教授らが鳥取砂丘から近くの河川などに流出した砂を回収する際に開発した装置を応用したものだという。熊沢室長は「重機が入れない場所でも利用できる。海上でも回収作業ができるよう実用化に向けて取り組んでいきたい」と意気込んだ。

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