【ジャパンC/穴馬アナライズ-後編】前走好走は“古豪”復活の狼煙 単勝オッズ30倍以上の盲点を突く

前編」ではジャパンカップにおける過去10年のデータ・傾向から、昨年の無敗三冠馬コントレイル vs. 今年のダービー馬シャフリヤールの評価を下したが、「後編」では適性を重視した穴馬3頭を取り上げる。

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■キセキ

2017年の菊花賞を制しているように長距離実績は申し分なく、18年のジャパンCでは勝ち馬アーモンドアイに次ぐ2着とコース実績も十分。7歳という年齢から能力の陰りが懸念されるものの、今春の香港・クイーンエリザベス2世Cでは優勝したラヴズオンリーユーから0秒4差、秋初戦となった前走京都大賞典でも0秒1差の3着と、いまだに一線級で通用する力を示している。

同馬の持ち味は何といっても持久力の高さで、前述の2018年ジャパンCでは、中盤から11秒台のラップを連発する強気の逃げで後続を圧倒。最後はアーモンドアイの差し脚に屈したものの、3着スワーヴリチャードには3馬身以上の差を付けた。

休み明けは動くタイプではなく、一度叩かれた今回は能力をフルに発揮できそう。さらに、近走は前半からポジションを取りに行けるようになってきた点には好感が持て、ロスなく進められそうな3枠5番も好走を予感させる。今年のジャパンCは確たる逃げ馬が不在。スタートを決めて自身でタフな流れを作れれば3年前の再現もある。

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著者プロフィール

山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。会心の的中はキセキが制した2017年菊花賞の3連単55万9700円。

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