神奈川県箱根町の水力発電所を知ってもらおうと、湘南建設業協会などは26日、報道関係者らを招いた「土木遺産ツアー」を実施した。土木学会が毎年全国から複数選出する「選奨土木遺産」に本年度認定された発電所や、過去に認定された施設など5カ所を巡った。同協会は「普段あまり見慣れない再生可能エネルギーに関心を持ってほしい」と話した。
今年9月に土木遺産に認定された「塔之沢発電所」(同町塔之沢)は、1909年7月に完成し、県内で稼働中の水力発電所では最古。早川を水源に、約214メートルの落差で1秒に約2トンの水を流すことで発電し、県西地区を中心に1年間に平均約7千世帯分の電力を供給している。
同発電所を管理する東京電力リニューアブルパワーの進藤裕一松田事業所長は「明治時代から続く歴史ある施設。受賞をきっかけに多くの人に知ってもらえたらうれしい」と話した。
ツアーでは、発電所の関連施設で約4キロ上流にある「早川取水堰(えん)堤」(同町宮城野)や、2011年度に認定された「山崎発電所」(同町湯本)なども紹介された。