オリックスが神戸で終戦 中嶋監督「野球人生がいい方向に向かう経験にしなきゃいけない」

試合後、ファンの声援に応えるオリックス・中嶋監督(東スポWeb)

オリックスの25年ぶりの夢はついえた。

ヤクルトとの日本シリーズ第6戦(27日、ほっともっと神戸)で、先発した無双右腕・山本は9回を141球の熱投。しかし、1―1で迎えた延長12回に吉田凌が代打・川端に勝ち越し打を許し、5時間を越す死闘は幕を閉じた。最後の打者の宗が二ゴロに倒れ、ヤクルトが歓喜に包まれる姿をナインはベンチから呆然と見つめるしかなかった。

中嶋監督は「負けたんだから悔しいですよ。結果なんでね。毎回打てるわけじゃない。結果として受け止めるしかない」としながらも、山本の力投に「あれだけの投球をしてくれたのに、援護点がとれなかった。本来ならゆっくり勝ちの余韻に浸っているでしょうけど…それができなかったのは悔しい」と心中を察した。

8回終了時に降板かと思われたが、山本が続投を希望。「行くということだった。最後に最後にあれだけの投球をしてもらった。何とかしてあげたかった…」。9回も三者凡退に抑え、6安打、1失点、11奪三振、141球の力投も報われなかった。

2勝4敗の結果に指揮官は「どの投手も抑えようとして投げている。勝つか負けるか、どっちかしかない。そこに負けてしまった責任は全部監督。引きずらないように〝こういうことがあった〟ということだけ覚えといてもらえたら。ただの経験じゃなく、野球人生がいい方向に向かっていけるような経験にしなきゃいけないと思います」と選手をねぎらった。

また、大きく成長したチームに対し「あきらめない姿勢が非常についてきた。まだまだ足りない部分もあるし、発展途上。これで終わりじゃなく、まだレベルアップできる。もう来年は始まっている。2月1日のキャンプイン、来年の開幕も決まっている。逆算してオフをどう過ごすかが大事になる」。低迷脱出から常勝軍団へ…オリックスが新たなスタートを切る。

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