援農ボラ、企業・大学と 社会貢献に提案 農協観光が仲介

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近藤さん(右)からサツマイモの特徴を学ぶ農協観光の職員(東京都瑞穂町で)

農協観光は、一般企業の社員やJA全国連の職員、大学生などを人手が必要な生産者に派遣する「JA援農支援隊」を始めた。企業の研修や社会貢献活動として、大学には授業の一環として農作業を取り入れることを提案。援農ボランティアの位置付けで、生産者の費用負担は生じない。生産者支援とともに、参加者の農業理解促進や交流人口の拡大にもつなげる狙いだ。

支援隊の参加者は、企業・大学などの団体単位で募る。交通費や同社への仲介手数料などは、派遣する団体が負担する。農協観光は事前に、企業・大学などの援農参加団体と、援農を希望する生産者の双方から時期や場所、人数などの希望条件を登録してもらい、マッチングする。

企業・大学などからの希望条件の登録は、農業に関する求人情報などを掲載する同社のウェブサイト「アグリ人財バンク」で25日から受け付けを始めた。生産者やJAなどの援農受け入れの希望登録は、同社の農業人財活用事業部で受け付ける。こちらも、年内には同サイトを通じて受け付けられるようにする予定だ。条件が合えば登録から約1~3カ月で援農を受けられる。

既に支援隊の第1弾として、10月から11月にかけ、東京都瑞穂町でネギやサツマイモなどを生産する「近藤ファーム」に同社社員を派遣した。6日間で延べ10人が収穫や選別作業などを手伝った。

代表の近藤剛さん(40)は「時期により必要な労力が異なるが、作業に合わせて人手を確保できたので助かった」と強調した。一方、参加した同社の鈴木哲郎さん(52)は「机上の仕事では学べない生産者の気持ちを、肌で感じることができた」と話した。

近藤さんはJAにしたまの青壮年部に所属。JA職員からの紹介で受け入れを決めた。JAは同社が仲介し参加者の所属などが分かる仕組みに「JAとしても安心してお願いできた」(営農生活課)と評価する。

8月には、先行して福島県南会津町のトマト生産者4戸に東京の大学生を派遣。延べ24日間・216人が授粉、摘葉・摘芯などの作業を支援した。12月には、農林中央金庫の職員が静岡県のJA大井川でミカンの収穫作業を手伝う予定だ。大企業からの派遣も調整中で、今後広げていく考えだ。

農協観光は「短期で特定の時期だけ人手が不足する生産者や、雇用に悩む新規就農者などに活用してもらいたい」(農業人財活用事業部)としている。