バランス取れた「災害食」を 管理栄養士、活水女子大で授業

ポリ袋に食材を入れて、あえるだけの「災害食」を作る学生=長崎市、活水女子大

 被災地で活動する日本栄養士会災害支援チーム(JDA―DAT)などによる「災害食」をテーマにした出前授業が18日、活水女子大(長崎市東山手町)であった。管理栄養士を目指す学生らが、被災者の栄養バランスの大切さや災害食の作り方を学んだ。
 JDA―DAT総括の下浦佳之さん(62)は、2011年の東日本大震災をきっかけにチームが設立された経緯や、16年の熊本地震での活動を紹介した。被災者の過労やストレス、栄養不足などに伴う「間接死」をいかに防ぐかが任務。偏りがちな栄養状態を改善するには、管理栄養士がリーダー的な役割を果たし、行政などと連携する必要があると訴えた。
 同大の健康生活学部2年生48人が耳を傾け、キッチンも搭載した緊急災害支援車両を見学した。
 豆やひじきの缶詰などを製造している「トーアス」(愛知県豊川市)の管理栄養士、杉本椿さん(27)も参加した。食べ慣れた食品などを蓄え、消費したら補充する「ローリングストック」を推奨。缶詰やパウチ食品をポリ袋の中であえるだけの「大豆とひじきのサバみそ煮あえ」など3品を学生に作らせた。
 学生の寺川弥希さん(20)は「簡単に短時間で調理できた。普段の晩ご飯の一品になるくらいおいしかった。ひじきや干しシイタケなどバランス良く備蓄するようにしたい」と話していた。

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